Scudiero - Walking Through MirrorsZ Records
(1999)
1999年にZ Recordsからリリースされた、Scudieroのファーストアルバム。久しぶりに聞いて感触が大変良かったので、再び少し聞き込んでみました。いやーScudieroやっぱりいい集団ですよ、うんうん。楽曲によっては変拍子や演奏力にも切れ味のあるプログレメタル的スタイルを得意としていますが、全体的に聞いていくとメロディアスな北欧産HR/HMバンドでありますね。本当にスウェーデンのバンドというのは、瑞々しいメロディーと親しみやすいキャッチーな楽曲構成を得意としていますが、Scudieroもそういう良質のバンドの一つであります。Lion's Share, Mind's EyeやCloudscapeなどがお好きなら、このバンドも楽しめると思いますよ。 ぱっと聴くと大人しめなところもあるかもしれませんが、非常に練られたアレンジで曲作りが上手いですね。HB Anderssonの歌が朗々としていて、いい声してます。良質なアルバムをリリースしている北欧タイプのバンド全般に言えることですが、このバンドもサウンドプロダクションも、かなりしっかりしていてサウンドの仕上がりいいですよ。太鼓の鳴りもいいですし、リズムもしっかりしています。またFredrik Folkareによるギタープレーがこれまた秀逸でツボを押さえた極上のソロやフレージングが北欧ファンにはたまらないでしょう。キーボードは、割と控えめなプレーで、ソロ技を連発するテクニカルな奏法は、あまり期待できません。しかし、なんていうかMats Olausson的な見事なサポートぶりと、音のチョイスや綺麗な音色を使っているので私は密かにこのキーボードプレーヤーいいセンスの持ち主だなと思いました。 どちからかというとミディアムテンポの楽曲が多いですが、単調ではありません。むしろミディアム主体でも、これだけ聞かせて楽しめるということはいいバンドの証拠だと思うんですよね。変則ビートを巧みに取り入れてグルーブを引き出したスタイルもありますし、1曲アップテンポでスピーディーに駆け抜けるものもあります。 いやー回数を重ねて聞けば聞くほど味わいも増す、いいアルバムを作ってくれました。北欧HR/Metal好きにはお薦めです。もちろん、メロディアスで楽曲指向のキャッチー寄りのプログレメタルが好きな人にもアピール大です。ちなみにリードボーカリストのHB Anderssonは、既に脱退しております。ちなみにHBは、他にもTokenやFatal Smileというバンドでも歌っておりました。個人的にはお勧め盤です。・・・最近音沙汰が無かった彼らだが、紆余曲折はあったもののWalking Through Mirrorsに続くニューアルバムの制作も続けているとの事。またニューボーカリストも加入しており、新しいアルバムが日の目を見ることを期待していきましょう。(購入盤Review)
PILGRIM WORLD推薦盤