SEER'S TEAR
country: U.K.
style/genre: Prog Metal, Melancholic Doom Metal, etc.
website: 現在のところ公式サイトらしきものは、存在していないようです。
related bands/artists: Solstice, The Prophecy, My Dying Bride, etc.
similar bands/artists: Psychotic Waltz, Fates Warning, Anathema, etc.
artist info: 英国出身のProg Metalバンド。70年代的スピリットと90年代のモダンエッジを融合したサウンドが特徴。



Seer's Tear - Precious
Goldtrack Records
(1998)

イギリスの5人組Prog Metalグループによる1stアルバム。かつてはDoom Metalタイプの音楽をやっていたそうですが、次第にProg Metal指向のサウンドにシフトチェンジしていったそうです。英国というとプログレッシヴ・ロックグループが数多く存在しているイメージがあると思いますが、英国出身のProg MetalバンドとしてThresholdなどのように国際的に突出しているバンドは数えるほどしか存在していないのかもしれません。80年代後期以降は、英国のHR/HM勢は苦戦を強いられていて、活動の場を欧州本土に求めているケースが少なくありません。ましてや、Prog Metalバンドが英国で活動を展開していくのは、かなり難しいのではないかと想像してしまいます。

さて、このSeer's Tearなんですが、多くのProg Metalバンドと比べるとかなり貴重なPsychotic Waltzタイプのサウンドを得意としています。まず、Seer's Tearのリードボーカリストが艶のある歌い方を得意としております。この辺りは、Psychotic WaltzBuddy Luckey辺りを好む人には、楽しんでいただけるでしょう。バンド自体は、割と硬質な演奏を展開しておりますが、時にはかなりメローな側面も打ち出しております。変拍子を取り入れたコンプレックスな楽曲では、Psychotic WaltzFates Warning風なアプローチを強く感じさせますが、本家と比べると割とソリッドでストレートな演奏形態に仕上げています。全体的には、それほどテクニカルな派手目の路線を狙っている訳ではありません。演奏形態でめくるめくような路線を期待し過ぎてしまうと、彼らの良さを見出すことはできないように思います。

アップテンポな曲から、スローでメローな楽曲に至るまで、よく耳を傾けていくと次第に味わいが深まってくるかのようであります。硬軟を上手に使い分けながら、ボーカルメロディーやメッセージ性の高い歌詞を中心とした楽曲指向にプラスアルファで独自の音楽観を打ち出しています。正直言って、このバンドは多くの日本人リスナーにはかなり取っ付きにくい雰囲気を醸し出していることは否めません。実際に自分もとっつきにくいなーと最初強く感じました。展開の早いプログレメタル指向の強い曲には魅了されたものの、大半の曲の良さを理解するまで、結構苦労しましたね。

・・・とは言うものの、あらゆる側面からこのバンドの音楽に対峙していくうちに、アルバムPreciousの中に含まれている英国サウンドやアティチュードみたいなものに次第に惹かれていきました。割とゆったりとした楽曲などからは、彼らが元々持っているメランコリックなフレーバーがAnathemaDead Soul Tribe辺りを好む層にもイケルのではないかと思わせるほどです。さすが英国のバンドなのか、Psychotic Waltzのルーツ的存在とも言えるBlack SabbathJethro Tull辺りを思わせるような要素も登場して、「オオ!」と唸る部分もありました。また瞬間的にカナダのHeaven's Cryにも通じるかのようなコンプレックスなパートが、出てくるところとかはニンマリさせていただきました(・・・全体の割合で言えば、そんなに多くはありませんけど)。なかなかに独特なムードを持ったProg Metalバンドであります。じっくりと数日かけて、ゆっくり咀嚼しながら聞くと、彼らの音楽の中に潜む魅力が滲み出て来るという感想であります。(購入盤Review)

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