SERUM
country: Germany
style/genre: German HR/HM, Prog Metal, etc.
website: http://www.serum-munich.de/
related bands/artists: 7for4, Sieges Even, Affair, Bonfire, X-ing, etc.
similar bands/artists: Sanvoisen, Jester's March, Auditory Imagery, Fates Warning, Bonfire, Antares, Avalon, MSG, Dokken, etc.
artist info: 現在7for4で活躍しているメンバー2人を含む、ドイツ産Prog Metal寄りのHR/HMバンド。既にグループは解散状態。



Serum - See Through My Eyes
Sky Productions/KDC
(2000)

日本では、殆ど取り上げられることのないSerumでありますが、実は現在7for4で活躍する技巧派ミュージシャンのMarkus Grutzner (bass)や、Klaus Engl (drums)達が在籍していた、ドイツはミュンヘンを中心に活動をしていたバンドであります。Prog Metal的なタイプの楽曲も何曲か演奏していますが、様々なスタイルを貪欲に導入したかのようなGerman HR/HMのグループというのが、個人的な位置付けになるかな。最初にSerumの音に触れる前は、7for4のメンバーが、なな・なんと2人も在籍していたので、めくるめくようなハイパーテクニカルなスーパー技巧インストを期待してました。しかし、それは大きな勘違いでした。1回目の印象は正直言って、最初の2曲目と後半登場するハード目の曲を除くと、イマイチよく分からなかった・・・というのが第一印象でした(汗)。

ところが、これをまた久しぶりに引っ張り出して聴いてみました。テクニカル指向を高望みしすぎないように、・・・というか今度は余計な情報をなるべく頭から取っ払って、素の状態で聞いてみました。・・・・オオ!、このバンド、中々よくまとまっているなーと感心するに至りましたよ。このバンドの場合、Prog Metalバンドと言っていいのだろうか?と思うほど、アルバムに含まれている楽曲の大半は、割と熱い魂が炸裂系のメロディアスなハードロックから、ファンク寄りのグルーブが感じられるヘヴィロック、それからバラード風のものを含むものが登場してます。全編Prog Metalという訳ではないですね・・・それさえ認識しとけば、変な期待をしないで済みます。そういうことは置いても、バンド自体の屋台骨は流石にガッチリとしっかりしております。今思えばHR/HMの範疇でいろんなことをしようとしていたのかなーとさえ思います。

正直いってProg Metal全般を好むリスナーには、おそらく取っ付き難い印象が残るかもしれません。しかし、曲をそれぞれ聴いていると面白い部分も見出すことができました。特にキーボーディストのThomas Strechはフィルターやオシレーター類をいじりながら、変化をつけたプレーがあったりします。プログレ的な音使いから、それこそテクノ〜エレクトロニカ風などを含めてThomasのフレージングや音的にも個人的にはユニークなことをしていると思いました。またMartin Kursaweのギタープレーはスムーズでかなり流麗なフレージングを始め、ギターリフやバッキングでもよいところを見せております。シンガーのWolfgang Grabnerもいい仕事をしておりまして、往年の英国シンガーや欧州方面のシンガーに通じるパワフル且つ、艶のある歌い方を得意とした歌い手さんですね。

肝心のMarkusのベースは割と控えめかな。後に7for4での凄いプレーを聴いた人にとっては、「地味過ぎはしないか?」と思ったりする人もいるでしょう。でも、場面によっては、やっぱりビシバシと凄いプレーをやっているのが流石と言えます。そしてもう一方の7for4組からのKlaus Englは底辺を支えているだけあって、ドラムワークで凄いところ見せ付けている場面もありますが、比較的全体的にはオーソドックスなパターンで守備よくやっている印象であります。・・と色々とこのバンドの音楽を聴きながら、やっぱり7for4や90年代以降のSieges Even辺りに自然に思いが飛んでしまいます。しかし、そこをグッと堪えて、このバンドの良さを味わうために、よーく聞いていくと、このバンドのメンバー一人一人は、相当な実力を秘めていると推察できる場面が、そこかしこにあると思います。スタンダードな欧州やドイツ方面のハードロック・メタルサウンドを通過して、Prog Metal的なスタイルを含めて、いろんなジャンルの引き出しも持っているぞというところが、特に7for4組の2人から強く感じました。

なかなか一発で瞬間的に嵌れるタイプの音楽ではないでしょうが、アンサンブルやそれぞれの個人技や、歌い手の歌唱力など要所要所を掴みながら聴けば、なるほどプレーヤー的には実力者が集まっていて素晴らしいという意見に到達しました。惜しむらくは、もう少し楽曲を熟成させて、あっと驚くようなマジックやトリックを詰め込んでいけば、もっととてつもないアルバムに生まれ変わったかもしれないという思いが強く残りました。このアルバムに嵌るには、間違いなく時間との格闘が必要であります。7for4Sieges Even関連に興味があるマニア層は、一度は触れておいたほうがいいかもしれません。しかし、上での文章にも書いていますが、決してそっち方面の「めくるめくようなテクニカル技巧路線」を過剰に期待しないことを念頭に入れて、チェックしてください。

最後になりましたが、音楽の中身についての話から脱線しまーす(笑)。やはり、このアルバムはCDジャケットのJack君というProg Metal界の中でも際立って摩訶不思議なキャラクターがボーンと登場しているところが、ある意味中身以上に強烈なインパクトを放っております。おそらく映画の「Powder」や「エレファント・マン」などの主人公をモデルにしているのでしょうね。このアルバムの存在をかぎつけた頃、海外ではドイツ方面を中心に結構話題になっておりました。しかし、何故か、なかなか購入することに踏み切れなかったんですよねー。楽曲にJack君を意識したようなテーマをバンド側は入れたかったんだろうと思うけど、他のリスナーはあのキャラをどう思っているんだろうか?。メンバーは、あのキャラクターを全員気に入っているのか?。一部の人からは、キモイと言われているJack君だが(?)、マスコットみたいなキャラクター風にしたかったのでしょうかねー?、謎が深まる・・・。また余談になりますが、Markus Grutzner本人に直接会って、Serumについてはお伺いをしたことがあります。でも結局Jack君に言及することを、私自身がスッカリ忘れてました(笑)。

このアルバムをステップに次の作品が出ていたとするならば、かなり充実した作品をリリースできていたかもしれない・・・と思うと継続して頑張って欲しかったかなーと思います。このアルバム以外にも、デモ作品なども数枚作っていたようであります。後にMartin Kursaweが脱退し、新ギターリストのAlex Kirmayrが加入。暫く活動をしてしまいましたが、結局解散してしまいました。それぞれのメンバーが7for4やBonfireのサポートなどでの活動を行っておりますので、新天地で頑張って欲しいです。それぞれのミュージシャンは腕利き揃いですから、また違った形でそれぞれのグループや活動に磨きをかけて欲しいと思います。(購入盤Review)

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