SEVENTH WONDER
country: Sweden
style/genre: Prog Metal, Scandinavian Metal, etc.
website: http://www.seventhwonder.nu/
related bands/artists: Andi Kravljaca (ex. Elsesphere/Silent Call), Roman Karpovich, Daniel Flores, etc.
similar bands/artists: Akashic, Symphony X, Circus Maximus, Dream Theater, Shadow Gallery, Artension, etc.
artist info: 地道な活動が実を結び、Lion MusicからデビューしたメロディアスなProg Metal系バンド。



Seventh Wonder - Become
Lion Music
(2005)

Lion Musicからデビューをする前から、各メディアから注目を集めていた北欧のProg Metalバンド。既にデモ作品を2枚リリースしており、好評でありました。これは、あくまでも個人的な意見でありますが、特に1stデモの出来は大変素晴らしいものだったので、フルレングスのアルバムが到着するのを楽しみに待っておりました。彼らのコンスタントな活動やプロモーションが実を結び、Lion Musicから遂にアルバムがリリース・発売になったのは嬉しい出来事でありました。さて、肝心の1stアルバムなのですが、蓋を開けて聴いてみると少し違和感みたいなものを感じました。個人的にはデモ作品の延長上にある、どちらかというとDream Theater的なスタイルでテクニカル路線を期待しておりましたが、必ずしもそういう楽曲ばかりではないような印象が残りました。むしろ以前よりもネオクラシカル風味の度合いや、ストレートで分かりやすい部分を前面に押し出した感じがあり、あれれ?と何故かしっくりとこない感じがありました・・・あ、いやいや、なんか誤解を与えてしまいそうな書き方をしておりますが、私はネオクラシカル系のメタルは苦手ではありませんよ。「作曲や演奏陣に大幅な交代があったのだろうか?」と思い調べてみましたが、メンバーチェンジはボーカリストのみでありました(意外)。おそらく違和感を感じたのは、ボーカリストの交代や、彼らの新しい方向性の変化が大きな影響を及ぼしているのではないか?という結論に達しました。全体を見渡してみると、デモ作品でも見られたような緻密な演奏や、テクニカルなパッセージを織り込んだ楽曲も聴き進めていくうちに見出すことができました。これは聴き手によって感じ方は、色々と違うのではないかと思います。僕個人は、楽しめる楽曲もある一方、何か少し物足りないような感触や、違和感を感じる部分もありました。しかし、そういった異質な感触さえ気にしすぎなければ、やはり北欧出身のバンドと言える瑞々しいメロディーや、演奏力でまとめているのは、流石だと思いました。私が期待していたものとは、大分異なるのでびっくりしてしまいました。何の先入観もなく聴けば問題なく楽しめると思います。ちなみに楽曲の殆どは、新曲も含めて1stと2ndのデモ作品から、割とバランスよく取り入れて収録されております。少しネオクラシカルな風味の効いた北欧産HR/HMや、割とストレートなアプローチでメロディを重視したProg Metalバンドが好きな方には、楽しんでいただけるアルバムだと思います。今後の作品に期待を繋ぎたいです。(プロモ盤Review)


Seventh Wonder - Waiting In The Wings
Lion Music
(2006)

昨年アルバムを出したばかりのSeventh Wonderが、間を空けずにリリースした2ndアルバム。前作はデモ作品で見られた輝きと華やかさが少し減退してNeo-Classical Power Metal寄りの色合いが濃かった訳ですが、今回の作品は格段の成長を遂げたように思います。まずMind's EyeDaniel Floresがプロデュースやエンジニアリング方面でもバックアップしているせいか、作品的な重厚感が上がっていることが顕著でありましょう。そして勿論、本体であるSeventh Wonderの面々が頑張っていることもあり、楽曲もキャッチーで構成などトータルな面でみてバランスが充分とれていることがポイント高しであります。前作のリード・ボーカリストはいつのまにか脱退しております。交代で加入した新シンガーは、このグループでの活動が最初の本格的なデビューとは言え、歌唱力や歌メロのセンスも大変素晴らしく大きく貢献しています。アルバム全編を聴いてみて思ったのは、前作以上にメリハリもあって親しみやすいことでしょう。いろんな方面のHard Rock/Metalリスナーに楽しんでもらえるような、ポテンシャルの高さが如実に感じられます。コンプレックス且つキャッチーな楽曲作りに関して言えば、Circus Maximusにも通じるかのような見事な楽曲作りでありましょう。ミュージシャンシップは勿論以前からしっかりとしていましたが、歌心を大切にしつつも演奏力も充分高いものをアピールしていて素晴らしいの一言です。メロディアス派のProg Metalグループの音楽性が好きなら、かなり楽しめる筈です。ただProg Metalに極度なテクニカル指向や展開、そしてある程度のダークな質感と世界観を期待しすぎると、このアルバムは賛否が分かれるかもしれません。前作からインターバルが空いていないにも関わらず、楽曲面での充実度と満足感は目を見張るものがあると言っても過言ではありません。今後もさらによいProg Metalグループに育ってくれるのではないでしょうか。(プロモ盤Review)

PILGRIM WORLD推薦盤


Seventh Wonder - Mercy Falls
Lion Music
(2008)

多くのファンが待ち望んだSeventh Wonderの通産3枚目となる「Mercy Falls」です。前作の「Waiting In The Wings」が非常に充実していたアルバムだけに、「今度のアルバムは、どんな内容になっているのか?」という具合に世界中のProg Metal系リスナーの間で注目されていたように思います。なんと蓋を開けてみると、驚くことに最新作はコンセプト・ストーリーものになっています。話の内容自体はフィクションなのでありますが、ある家族に起こった悲劇を中心に展開されています。根幹となる物語の組み立てや構成は、主にベーシストのAndreas BlomqvistとリードボーカリストのTommy Karevikの2人が担当しています。作品のプロデュース自体はバンド全員が関わっています。エグゼクティヴ・プロデューサーとしてAndreas Blomqvistがクレジットされています。録音に関してはバンドだけでなく、彼らとも深い関わりのあるDaniel Floresも参加してアドバイスを出しています。ミキシングやマスタリングはTommy Hansenが担当と言った具合に、サウンドは当然素晴らしいものになっています。

Seventh Wonderが演奏する音楽が当然主体となっていますが、物語の構成や内容は驚くほどシッカリしています。アルバムの要所で登場する人物の会話が、物語を理解していくうえでの手助けになっているかもしれません。感じとしては、映画の脚本みたいにジックリと時間をかけて作っている様子が伺えます。本人達は納得のいくまで、かなり練りに練ったのでしょう。歌詞やストーリーを含めて、Mercy Falls全体を楽しむための仕掛けが含まれていますね。話の流れを追いながら音楽を聴いていくうちに、色んな相乗効果が得られる工夫が施されているようにも思います。Mercy Fallsの歌詞やストーリーの内容も含めて、もしかしたらネイティブの英語スピーカーが聴いても充分に鑑賞に堪えうるものがあるように思います。

それから今回の作品で、大きく注目して欲しいのはTommy Karevikによる圧巻のリード・ボーカルでありましょう。パワフルに歌い上げる一方、場面によっては非常に丁寧に絞り上げるように情感を込めたパフォーマンスなど非の打ち所が無いといってよいほどの実力です。前からスゴイ歌手だと思っていましたが、今回の作品に関しては歌の説得力なるものが尋常でないと思いました。時々、Prog Metalタイプの音楽は歌のメロディーが魅力的ではないという意見を見かけることがあります。Seventh Wonderの場合は、そういう意見を持っている人達をも振り向かせる、何かがきっとあるような気がします。

Waiting In The Wings」も魅力的な楽曲が多かった訳ですが、新作「Mercy Falls」の完成度は、前作を上回ると感じさせる仕上がりになっているように思いました。この作品におけるSeventh Wonderのメンバー同士の結束は、非常に強固なものになっており素晴らしいチームワークを発揮しています。全編に渡って非常に充実したメロディアス且つテクニカルなProg Metalが楽しめます。アルバム全体から感じることができる高揚感と充実度は、ある意味Dream TheaterSymphony XShadow Galleryなどの代表作を聴いている時に似ていると言いたくなるほどです。当然、メンバーそれぞれの見せ場もたくさんあります。ギターのJohan Liefvendahlは、ザクザクとしたリズムを刻みつつ、ここぞという時には流麗なギターソロで切り込んできます。

この作品では、演奏面だけでなくプロダクションなどの細部に至るまで、リーダーでありベーシストのAndreas Blomqvistが大活躍しています。ソロだけでなくグルーヴ感を強調するビートの繰り出し方もカッコイイ。ドラマーのJohnny Sandinを含むリズム隊の演奏も非常にしっかりとしております。前作と同様でキーボーディストのAndreas Soderinによるキーボードワークや印象的なシンセ・リードも随所で顔を出してきます。バンドが一体となった、変拍子やテクニカルなアンサンブルを繰り出すところは非常にカッコイイです。緩急のつけ方も大変上手く、テンポチェンジも大変滑らかでカッコイイですよ。余りにもスムーズにこなすので、凝った複雑なリズムパターンを意識することなく、すんなりと歌やメロディーに入っていけますね。

とにかくアルバムの最初から最後まで緻密な構成になっているにも関わらず、大変分かりやすく親しみやすいものに仕上がっています。いやーこれほどの力作になっているとは。本当に驚きましたし、正直嬉しかったですね。初回から充分楽しめますが、何回聴いても楽しめる充実した内容です。Prog Metal系の音楽が好きなリスナーだけでなく、北欧メタル系統を中心に聞いている一般のHR/HM系リスナーにも訴えかけるポテンシャルがあります。個人的にも、「Mercy Falls」は2008年度で最も気に入ったアルバムの一枚になることでしょう。(プロモ盤Review)

PILGRIM WORLD推薦盤

discography:


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