SHADOWLAND
country: United Kingdom
style/genre: Neo-Prog, Symphonic Rock, Melodic Rock, etc.
website: http://www.shadowlanduk.com/
related bands/artists: Arena, Pendragon, Threshold, etc.
similar bands/artists: Pendragon, Marillion, Jadis, etc.
artist info: PendragonやThresholdなどで活動しているメンバーを含むメロディアスなNeo-Progバンド。



Shadowland - Ring of Roses
SI Music/Verglas
(1992)

PendragonArenaなど様々なグループで活動しているキーボーディストのClive Nolan。そしてThresholdのギターリストとして知られているKarl Groom達を中心にした英国のネオ・プログレ系バンドの1stアルバム。リード・ボーカルは誰がとっているのかと思ったら、Clive Nolanが兼任しています。聴く人によっては、Nolanの声質や歌い方を苦手に捉える人もいらっしゃるかもしれません。Neo-Prog系のボーカリストというと、Peter GabrielFishぽい声の人が多いイメージがあります。ところが、Nolanさんの場合は違いますね。むしろThe CureRobert Smithに近い声質の人かもしれない。歌い上げるタイプの人ではないかもしれませんが、楽曲の持つ魅力をちゃんと伝えています。アルバムの中身は、1980年代のMarillionPendragonを彷彿とさせます。英国バンドらしいNeo-Prog的な雰囲気が強いのは明らか。 じっくりと楽曲を聴いてみると、憂いを帯びたメロディーや展開も随所で発見できます。メロディアスでポップなものも登場しますが、「困惑・失望・痛み」などの内省的で翳りの強いテーマの楽曲が中心となってます。Shadowlandの場合、テクニカルな演奏は強調しておらず難解ではありません。ストレートで分かりやすいアプローチを取っています。それぞれの楽曲は、親しみやすい作りを目指していることが分かります。湿り気のあるメロディーを機軸にしながら、段々とドラマティックに盛り上げていくパターンも特徴の一つです。Karl Groomのギターソロや、Clive Nolanが中心の叙情的なリード・プレーは印象深い。Groomがエモーショナルなソロを取りながら、段々とバンド演奏に厚みとハードさが増していくところも曲によって用意されています。全部の楽曲というわけではありませんが、中には後年のThresholdに通じるようなキャッチーでハード・エッジな側面があるのが嬉しい。それからギターのアルペジオやディレイやコーラスなどの使い方は、Steve RotheryPink FloydDavid Gilmourが得意としている綺麗な音使いで好印象です。個人的には奇抜なリズム・パターンや、ハード指向の楽曲が占める割合が多かったならば、もっと楽しめていたかもしれません。70年代のプログレやヴィンテージ系のサウンドが濃い音楽を好むリスナー層には、なかなか馴染めにくいタイプだということは覚悟しておいてください。その一方で80年代のメロディアス・ロックからポップス、そして英国のNeo-Prog/ポンプロック系の音楽を中心に聴いている人にアピールすると思います。聴き始めの頃は、結構取っ付きにくい部類の作品でした。最終的には、次第に楽しめる部分が少しずつ増えて浸透してきました。この手のサウンドに対してオープンになったのも原因ではありますが、魅力を感じる場面も少なからずあります。(購入盤Review)

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