SLYCHOSIS
country: United States
style/genre: Prog Rock, Neo-Prog, Symphonic Rock, etc.
website: http://slychosis.com/
related bands/artists: Todd Sears, etc.
similar bands/artists: Phideaux, Glass Hammer, Genesis, Relayer, etc.
artist info: Gregg Johnsを中心にしたアメリカンなProg Rockサウンド。



Slychosis - Slychedelia
Independent Release
(2008)

アメリカはミシシッピ州を拠点に活動中のProg Rockグループによる通産2枚目となる作品。前作では、楽曲指向なシンフォニック・ロックだったと記憶しています。今回の作品では、分かりやすい部分と若干コンプレックスな部分を両立させた作りを狙っているように思いました。元々は3人編成のバンドですが、今回はサックスや外部のボーカリストをゲストに迎えており気合が入っているように感じました。似たタイプを探すとなると、以前うちのサイトで紹介したRelayerPhideauxのような感じに少し近いかもしれません。また、ところどころで聴かれる曲調などからNeal MorseSpock's Beardなどをお手本にしているのかな?と思ったりしました。ただスタイル的には、テクニックを前面に出している訳ではありません。また硬質感を押し出したヘヴィなタイプでもありません。ヘヴィな側面を兼ね備えたタイプのプログレ系でもないです。技巧で勝負しない代わりに、曲調に工夫を持たせてリスナーに楽しんでもらおうという姿勢は感じられるでしょう。組曲的なアプローチや寓話性を楽曲に取り入れているものも一部あります。良いメロディーや展開部が登場するところも垣間見れます。そういった辺りは、個人的に耳を少し惹くところが部分・部分でありました。基本を大事にしたシンプル寄りだという印象ですね。プログレ的サウンドを仲間達と一緒に楽しみながら音楽を表現しています。ということで、こちらのサイトで紹介しているCDとは随分違う毛並みのバンドだと思って下さい。

前作と比べると、内容も楽曲の構成もフレンドリーな部分を強調しており、成長の跡が窺えました。しかし、彼らの場合は自主制作で作っているので、物足りない部分が無い訳ではありません。最前線で活躍をしている一線級のプログレ勢と比べるのは酷だと思う一方で、残念ながらプロダクションはもう一つと言わざるをえません。ヘヴィな路線を狙っているタイプでは無いのですが、どうもパンチ力が弱いと思います。ところどころでドリーミーで柔和で楽しい部分も表現しているのは、彼らの持っている良いところであります。アメリカのプログレ系で見かけるドライな感じが苦手な人は楽しみにくいでしょう。キーボードを中心に活躍するGregg Johnsのバッキングやソロ〜音色などは、表現の仕方がユニークで面白く聴ける場面も所々で見出すことができました。実はこのGreggさんは、キーボード以外にもギターやベースなど複数楽器をマルチで担当しています。本人はキーボードを得意としているのか、メロディーなどやサウンド・メイキングを中心に頑張っている様子が伝わってきます。

曲によっては、丸ごとGreggだけの一人シンフォニック・ロックな状態になる部分があります。悪くは無いのですが、そういった辺りで、どうもシックリと来ていない場面も結構多いようにも感じました。各楽器を任せることができる人材がもう数名居ればいいのになあ・・・と私は思いました。ギターのソロが前面に出てくる場面では、サウンドが随分淡白すぎるような気がして残念です。ギターのバッキング辺りは、ソロと比べると目くじらを立てるほどでは無いのかもしれません。でも、どうしても音作りが気になってしまうところが、時々あります。しかし、ギターのサウンド・メイキングも含めて、厳しめで聴くタイプのリスナーには嫌われるタイプかもしれません(汗)。Slychosisの場合は、いろんな楽器のパートを担当せずに、誰か他に任せる人を探したほうがいいと思う。次回は、専任のギターリストを助っ人に呼んだほうがいいかもしれません。まあ、ミュージシャンシップやリズムのタイトさを気にしすぎないほうが良い部類です。

ここ日本において、Slychosisはアメリカ的なProgサウンドということで大苦戦を強いられるかもしれません。客観的に見ていくと、まだまだ発展途上にあるサウンドでありましょう。欧州系のプログレのタイプとは異なるのですが、中には6曲目の「Distrust」のような感じで、英国的なスピリットに通じるハイライトとなるものも含まれています。この曲の持っている、ちょっびっとだけJadisを思わせるような要素もあって、Distrustの仕上がりや楽曲は中々に頼もしかったです。個人的には、このスタイルは気に入ったので、さらにグレードアップして欲しいですよ。まあ彼らの場合は、肩肘をはらずに、マイペースにやっていこうという雰囲気はあります。とやかく言う必要は無いのかもしれません。もしも、今後さらにProg Rockシーンで頭角を現す意思を強く持っているのならば、彼らの場合はさらなる精進や努力が必要でしょう。正直、今回のレヴューは厳しい視点で聴かざるを得ませんでした。この新作のの場合は、好きな場面も中にはあるんですよ。要所では耳を惹く良いパーツもあるので、その辺りを生かしつつ次に繋げて頑張ってもらいましょう。えっと最後は蛇足で終わりたいと思います。それにしても、なんでアルバムのジャケットアートが「シェー」というか、「オッペケペー」なのを彼らは選んだんでしょね?(笑)。ブックレットの中に含まれているアートの中には、結構もっとユーモラスで良い絵柄もあったのに不思議です。http://myspace.com/slychosisprog (プロモ盤Review)

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