SONIC AGITATION
country: Japan
style/genre: Tribal Metal, Power/Thrash Metal, New Tendencies, etc.
website: http://www.sonicagitation.com/
related bands/artists: Hidden, Argument Soul, etc.
similar bands/artists: Into Eternity, Sepultura, Slayer, 我龍, Loudness, Metallica, Outrage, etc.
artist info: 和太鼓を含む新感覚のJapanese Tribal Metalグループ。メタル的アグレッションと深遠なる和の精神を融合。



Sonic Agitation - 螺旋【Rasen】
Lights Out Records
(2007)

名古屋を拠点に活動をしている新世代パワー・トライバル系メタルグループによる2ndアルバムです。こちらのウェブサイトでは、福山で開催されたJapanese Metalグループ勢が集まった公演のレポートで初めてSonic Agitationのことを知った方もいらっしゃると思います。彼等の音楽に初めて触れる方の印象は、多分Sepulturaを和風にしたモダン寄りなThrash Metalグループという感想を持つことでしょう。しかし、このグループが興味深いと感じさせるのは和太鼓メンバーを2名含むメタルグループだということです。和を強調したロックグループは幾つか存在していますが、ここまで果敢にアグレッシヴなメタルサウンドと日本独自の和太鼓の響きやサウンドを高い次元で融合させることに挑戦しているグループを自分は知りません。「へー面白そうなグループが国内にいるんだなー」と思った方は、チャンスです。ぜひ上のSonic AgitationのサイトやMySpaceサイトで、彼等の音楽に触れてみてください。国内のメタルグループでも、興味深いアプローチで次の地平を見つめている人達が存在しているのは確かであります。

ニューアルバムの螺旋【Rasen】で貫かれているスタンスは、前作のAcross All Apprehensionを引き継ぎつつも、さらに完成度を高め熟成させてきたという印象であります。演奏形態は、現在のアグレッシヴなPower/Thrashメタルといったタイプのもので、ストレート且つアップテンポなものが主体となっています。強いて似たようなスタイルやサウンドとして近い(?)ものとなると、ベイエリア出身のThrash Metal勢やProg Metal方面で見て行くとカナダのInto Eternity辺りのサウンドが好きなリスナーには、Sonic Agitationを気に入ってもらえる可能性は大きいと思います。歌詞の多くを手がけている矢葺栄次氏は、クリーンボーカル以外では、激しいグラントボーカル〜アグレッシヴなデス声までのパフォーマンスも登場するので、デスメタル系に親しんでいないリスナーにはチャレンジかもしれません・・・ですが、彼のボーカルパフォーマンスは日本人メタルシンガーの中でも安定しており良好なものをキープしているので、躊躇せずに身をゆだねて聴いてもらえると彼の凄さを見出せることでしょう。いやグラント声やデスボーカルって、場面によってはこんなにカッコヨいいのかーと、その辺りの偏見は少しだけでも払拭されるのではないかと思います。

特にリズムセクションの濃密感と疾走感は、このグループならではの強みと言えるでしょう。笛木良彦氏と大沢崇人氏による和太鼓セクションと、加藤大貴氏による従来のドラムセクションの音の重なり具合とビートの刻み具合は、ヤバイほどの心地よさです。バンドの中心人物であり楽曲制作や歌詞や世界観作りなどにおいてマスターマインド的存在と言えるベーシストの岩田威信氏の働きは注目すべき大きなポイントであるだけでなく、ベース奏法もテイスティーです。個人的に大注目なのは、新加入の福井智晴氏 (Chiharu Fukui)によるギター演奏が非常によいアクセントになっておりますし、彼の流麗なソロ・リードプレーや堅実なリズムワークなどはギターキッズが楽しめるポイントと言えるでしょう。そこはかとなく、福井氏のプレーからはあらゆるメタルサウンドやProg Metalから吸収したであろう要素が惜しみなく発揮されているかのようであり、プログレメタル路線のギターリストが好きな人にも注目していただきたい。蛇足かもしれませんが、福井氏は国内シーンやProg Metal音楽にかなり精通しておりまして、その辺りも大変頼もしい限りです(ということで、Prog Metalファンも応援してくださいね)。

演奏の質は充分高いですし、国内のメタルグループの中でも抜きん出たものがあります。それぞれの楽曲の仕上がりもしっかりしていますし、和のムードが前面に出るところはSonic Agitation全体で考え抜いて作り上げた様子が伺えます。確かに全体的にはトライバルなPowerful Metalサウンドが特徴として濃いですが、中盤で登場する日本の三味線などをフューチャーしたインストサウンドは、極限のアグレッシブなサウンドが支配する中で深遠な和の精神を表現することに成功しています。どの楽曲をとっても、テンションの高さが凄いことになっています。個人的なハイライトとしては3曲目のアグレッシヴ且つライブ映えする「夢幻の如く」は素晴らしいと思いましたし、9曲目の「Come Together」や10曲目の「Piece Of Peace」ではアグレッシヴなメタルという側面だけでなく、ある意味ワールド・ミュージックにも通じるかのような広がり具合も秀逸です。あまり国内のバンドにはこれまで興味が無かったけれども、ここまで読んでみて面白そうだなーと思ったリスナーにお薦めです。当然海外と国内のバンドの音楽を分け隔てなく聴いているメタルリスナーには楽しめるはずです。名古屋からは良質なグループやミュージシャンが現在のシーンで活躍していますが、Sonic Agitationの演奏や音楽は大変ユニークであり頼もしいと言えるでしょう。最近アルバムが発売されたばかりなので、お求めしやすいと思います。ツアーやライブも頻繁に行っているので、まずは彼等の魅力ある力強いライブパフォーマンスを体感して欲しいと思います。うちのサイトでレヴューするタイプのバンドとしては少ないほうかもしれませんが、国内のバンドも頑張っているので、興味をもった方はぜひ応援よろしくお願いします。(プロモ盤Review)

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