SPIRAL ARCHITECT
country: Norway
style/genre: Technical Metal, Prog Metal
website: http://www.spiralarchitect.com/
related bands/artists: Borknager, Satyricon, King's Quest, Manitou, etc.
similar bands/artists: Watchtower, Spastic Ink, Psychotic Waltz, Fates Warning, Gordian Knot, Cynic, Canvas Solaris, Zero Hour, etc.
artist info: テクニカル〜プログレッシヴメタル期待の巨星。高度な演奏技術を武器にしている。



Spiral Architect - A Sceptic's Universe
Sensory/Laser's Edge
(2000)

おそらく2000年度にリリースされたProg Metalアルバムの中では、最も高い評価を得たアルバムと言ってもいいのではないでしょうか。結成は、遡る事1993年、ノルウェーのOsloで結成。欧州を中心に1995年頃から、アンダーグラウンドのProgressive HMシーンでは、WatchtowerPsychotic Waltz, そしてFates WarningDream Theaterなどに通じる高度な技術と音楽性を擁するサウンドで定評を得る事になります。90年代の中盤ごろから、地道な活動を繰り広げていたのであります。しかし、意外とフルレングス・アルバムのリリースにこじつけるまでに時間がかかってしまい、テクニカルメタル〜プログレメタルファンにとっては待ちにまったアルバムとして2000年についにリリースされることになったのです。。現代的プログレバンドのリリースに力を入れているThe Laser's Edge傘下のProg Metal専門レーベルSensoryから、A Sceptic's Universeがリリースされました。どうやら、このアルバムが現時点では、SensoryレーベルのProg Metalバンドの中ではもっとも売上を伸ばして健闘しているとのことです。

メンバーは結成当初から、Steinar GundersenAndreas Jonssonのギターセクション、ベースのLars K. Norberg、そしてドラマーにAsgeir Mickelsonという堅牢な演奏陣が固まっていましたが、長い間リードボーカリストの座が確定していなかったようであります。デモ作品では、セッションボーカリストとしてLeif Knashaugが2曲ほど担当をしておりました。しかし、後に元Manitouのシンガーであった、Oyvind Hagelandが加入し次第にSpiral Architectは自分達本来の音楽を追及する態勢が整ってきました。さすがに、プログレメタル〜テクニカルメタル界の次世代を担う逸材だけあり、様々なサポートや協力を経て満を持してA Sceptic's Universeが完成・リリースとあいなったわけであります。デモ作品〜初期のSpiral Architectの印象では、Fates Warning/Dream Theater的な色合いを見せながらもテクニカルな応酬を得意としている感じだったようです。しかし、このA Sceptic's Universeは、自分達の独自性を導入した難解且つイントリケイトな演奏パートが楽しめる作風となっていると言えるでしょう。この作品では、プログレメタル的な方向性をより一歩勧めたジャジーでハードな色合いも濃いテクニカルメタル的なサウンドが展開されていると思います。

表面的には、確かにWatchtowerやSpastic InkZero Hourに通じるテンションの高さを感じる事でしょう。それらに付け加えて、Psychotic Waltzのような嵌ると癖になりそうな摩訶不思議な妖艶サウンド、Gordian Knot + 初期Fates Warning的な幽玄且つ深みのある世界観を描き出しております。異次元空間をハイスピードで飛翔する緻密なサウンドとでも言うべきかもしれません。全ての演奏が計算されているかのように、超絶技巧のサウンドでありますが理路整然とした佇まいも見せております。このバンドが、他のテクニカル系メタルバンドと一線を画しているのは、Jazz Rock的要素が濃いという点でありましょう。こういったTribal Tech, Mahavishnu Orchestra, Weather Report, Planet X, Allan Holdsworthなどに通じるかのようなハード・フュージョン〜プログレ的要素は、かつてMusician Instituteで演奏技術を磨いた経験を持つLars K. Norbergがもたらしたものと言っても過言ではないでしょう。

とにかく演奏パートが凄まじい勢いを持っておりますが、それに負けないOyvind Hagelandによる妖艶フレージングでボーカルも負けておりません。楽曲によっては、シンセリードやキーボードプログラミングが適度に配されており、非常に面白いです。そしてSensory絡みで、スティックの大家Sean Malone氏のプレーも登場したります。とにかく、全編スリリングこの上ないアルバムで堪能いたしました。凄まじいインタープレーや豪快な変拍子などが次々と登場する中、それを縫うようにOyvindによる独特のボーカライゼーションが絡んでおりますね。テクニカル指向のProg MetalやTech Metalが好みの人にはアピール大だと思います。現在のところ、ニューアルバムの制作にさらにもう数年擁すると思います。

Spiral Architectの場合は、楽曲指向というよりは演奏技術至上主義みたいなところがあるのは否めないところでしょう。ただ、もの凄く難解過ぎて、「とっつきにくい」とは、個人的には思いませんでしたが・・・如何なものでしょう・・・。Dream Theater的スタイルが好みのリスナーには若干楽しむのに難しい要素があるように思います。しかし、WatchtowerやSieges Even, Zero Hourなどのようなタイプ〜果ては変態音楽が好みのリスナーには大変面白い存在ではないかと思います。(購入盤Review)

PILGRIM WORLD推薦盤

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