SPHERIC UNIVERSE EXPERICNE
country: France
style/genre: Prog Metal
website: http://www.sphericuniversexp.com/
related bands/artists: Amnesya, Volodia Brice (ex. Lord of Mushrooms), Gates of Delirium, etc.
similar bands/artists: Dream Theater, Eldritch, Andromeda, Dali's Dilemma, Symphony X, Sun Caged, etc.
artist info: 技巧的な演奏力とドラマティックな要素の両方を武器にしているフランスの若手Prog Metalグループ。



Spheric Universe Experience - Mental Torments
Replica Records/Nightmare Records
(2005/2006)

フランス出身の若手5人組Prog Metalグループ: Spheric Universe Experienceによる1stフルレングス・アルバムです。僕のページでは、フランスのグループを取り上げる度に欧州におけるフランスのProg Metalシーンが活性化しているのではなかろうか・・という話を出しているので「また始まったか」と思われたかもしれませんね(^^;)。その活性化する急先鋒の一つとしてSpheric Universe Experienceが台頭してきたのは大変嬉しい出来事でした。このアルバムがReplica Recordsでリリースされる以前に目をつけたのが、あの名物マネージャーとして欧州メタルシーンでは知る人ぞ知るClaus Jansenが中心のIntromental Managementでした。確かにフランスからは以前からアンダーグラウンドでも技巧的なProg Metalグループは、少なからず活躍しておりましたが、このSpheric Universe Experienceは若手とは言え、既に技巧的な部分とメロディアスでキャッチーな部分の両面をバランスよく保ったミュージシャンシップを持っていることが特徴であります。リズム隊も活躍度が高いですが、ギターとキーボードの両方テクニカルなリードやソロが満載です。コアなProg Metalファンだけでなく、一般のHard Rock/Metalタイプのリスナーにもアピール度の高い作品を作っていることが評価され、結果的にIntromental Managementに受け入れられたのだと思います。

Replica Recordsからリリースされた当時は、フランス国外では余り話題になっていなかったようですが、つい最近Nightmare Recordsからもディストリビュートされるようになりました。そのかいあってか、幸運にもこのアルバムは、比較的入手しやすい作品となりました。全体的な内容についてですが、元々デモやプロモーション用としてある程度の音源は完成しておりまして、それを土台に新曲を含んでMental Tormentsという正式なデビューアルバムという形でリリースされました。1stアルバムには、キャッチーでアップテンポなものから組曲形式の壮大で正統的なProg Metalタイプのものまで、よりどり緑です。最近リリースされた2ndアルバムと比べるとプロダクション的には、あちらの方に軍配をあげたくなりますが、これまでに培った豊かでフレッシュな音楽性がいっぱい詰まっており、ドラマティック且つテンションの高い技巧性も前面に押し出した、多くのProg Metalファンにとっては垂涎ものの内容で僕個人も大変楽しんでおります。確かにDream Theaterからの影響は大きいのですが、非常によく纏め上げていて演奏面・楽曲面での構築度は大変素晴らしいと納得です。現代的なエッセンスを取り込んでいるのは、Dali's DilemmaAndromedaなどに通じると思いました。また突進し畳み掛けていくスリリングなところは、イタリアのEldritchやスウェーデンのSeventh Wonderにも匹敵するところがあります。壮大でシンフォニック且つリリシズムが高いパートでは、Symphony X辺りを想起させることでしょう。

これらの他に大きな武器となっているのは、リードシンガーのFranck Garciaの歌声であります。表現力の幅が広いところを見せています。メロディアスでソフトなところからハード&ヘヴィな歌い方まで使い分けていますね。Franck自身は、少しやはりネイティブの発音やイントネーションほど完璧とは言えないかも知れませんが、英語圏のリスナーを躊躇させることなく楽しめるポテンシャルは充分あります。なんといっても、彼は声質自体が大変魅力的でありますから、Prog Metalタイプの音楽には完全にマッチしています。歌が中心の部分とインストが活躍する部分をしっかり両立させる姿勢は、かなり大切にしているというところもSpheric Universe Experienceは、ポイントを押さえています。若手ながら充実したものをちゃんと表現できています。作品の出来具合から見ていくならば、上でも少し挙げたように2ndアルバムの方が完成度が高いかもしれませんが、楽曲が持つ魅力や構築度は案外こちらの1stアルバムも負けていないと思います。歌メロも良質なProg Metal勢に肉薄しつつあると思いますし、キャッチーでありながらも体を動かさずには入られない変拍子ビートなどたまりませんね。正統的なProg Metalファンの心を鷲掴みにする可能性が高いと思います。僕はこのアルバムは大好きですね。アルバム全編、大変楽しめました。当然、次の2ndアルバムも魅力を持った充実度を誇っていますので、両方ともProg Metalリスナーにお薦めいたします。(購入盤Review)

PILGRIM WORLD推薦盤


Spheric Universe Experience - Anima
Sensory Records
(2007)

1stアルバムで好評を博したフランスの技巧派Prog Metalグループによる2ndアルバムです。前作で既に完成度の高いメロディアスでドラマティックなProg Metalを得意としていたSpheric Universe Experienceの2ndアルバムに大きな注目が集まっていた筈ですが、周囲からの期待やプレッシャーを意に介さず、素晴らしい作品を引っさげて2007年にカンバックしました。前作は最終的にはNightmare Recordsからのディストリビューションでしたが、今回からは良質なProg Metalグループを輩出しているSensory Recordsと正式に契約を交わしてのリリースと相成りました。前作よりも起伏や流れが充実していることが顕著でありますが、楽曲の質や勢いは前作と同様大変素晴らしいものがあります。

今回の作品は並々ならぬ情熱とテンションの高さを感じます。冒頭から現代的な感性は大事にしつつ、ボンバスティックに疾走しつつインスト陣が複雑緻密に絡み合うパートは、Prog Metalファンにとってはスリリングこの上ないでしょう。アップテンポ且つスピーディーにかっ飛ばしつつ、グイグイとAnimaの世界観にリスナーを引き込んでいくところが本当に気持ちがいいですねー。当然、1stアルバムと同様でギター・キーボードの活躍度は大変高いですし、リズムセクションもかなり強靭にテンポを刻みつつダイナミックに突進しつつも緩急をコントロールしておりますね。前作では、楽曲に関わる時間は限られていましたが、ボーカリストも参加して充分時間をかけて構築された作品となっており、どの楽曲からも自信が漲っていると感じさせます。

序盤から勢いを持続させ、アルバムの後半までいろんな展開を含みつつリスナーを引き込む力量は2枚目にして、よくここまで到達したと驚嘆してしまいます。めまぐるしい展開やテクニカルな演奏が楽しめる一方、メロディーをなおざりにせずキャッチーな作りに仕上げています。日本でも着実にファン層を開拓しつつある頼もしい存在です。海外でも、このアルバムはリリース以来、高評価を得ているということで、さらに次なるステップに飛躍をして欲しいと思います。コンスタントにフランスを中心に精力的なライブ活動も行っているとのことです。

Spheric Universe Experienceの各メンバーのそれぞれの頑張りが光っているだけでなく、このアルバムの制作に携わった全員が一丸となったチームワークの賜物だと思います。ドラマティック且つテクニカル、そして歌メロも含めてトータルで楽しめる充実したProg Metal作品として、お薦めいたします。前作と若干カラーは異なりますが、劇的な起伏を生み出すことに成功しているということが最大なポイントでしょう。あとユニークなのは、「Heal My Pain」という曲では、日本語の台詞が挿入されております。一部抜粋するとこんな感じです。・・・

春はまだ来ないのか?・・桃の花がすでに開花しているのに」とか「おふくろ・・・きこえるか?」などの日本語の部分は、Spheric Universe Experienceのリスナーを驚かすと同時に違った意味で「これは、おもしれー」という感じで微笑ましい部分として話題になっています。日本語のフレーズも、違和感なく溶け込んでおります。以前耳にしたところによると、ファイナル・ファンタジーや日本のゲームを含めてわが国のカルチャーにも興味を持っているようです。また日本語だけでなく、「World of Madness」ではスペイン語の台詞が、「Neptune's Revenge」ではイタリア語の台詞が挿入されております。音楽性は全然違いますが、以前John McLaghlinのPromiseアルバムでも数ヶ国語の台詞が要所で登場しましたが、あれと似たような場面転換のような効果が感じられました。

また今年の秋にIntromental Managementのお膝元であるデンマークはコペンハーゲンにて開催される第1回目のProgPower ScandinaviaにもAndromeda, Threshold, Circus Maximus, Orphaned Land等と共に参戦することが決まっています。いよいよ、この作品でフランスのProg Metalシーンの真価が問われると思いますが、その実力の高さはこの作品で充分証明していると思います。ツアーやフェスティバルに参加して、さらにバンドの結束を強固なものにして欲しいものであります。いやーどんどん成長している姿を見るのは嬉しいものですね。(購入盤Review)

PILGRIM WORLD推薦盤

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