TUNNEL VISION
country: Finland
style/genre: Prog Metal, Melodic Metal
website: http://www.tunnelvision.xrs.net/
similar bands/artists: GB Arts, Ivanhoe, Dream Theater, Divided Multitude, Tarrot, etc.
artist information: 1995年にフィンランドでバンドを結成。メロディアスでスリリングな演奏形態を目指している。



Tunnel Vision - Tomorrow
Massacre Records
(2002)

フィンランドを拠点に活動しているグループにとって、通産2枚目となるアルバムです。Tunnel Visionに関しては、実際に音を聞くまでは、サウンドをイメージするのが難しいグループだった。確かmelodic rock.com辺りやMassacre Recordsで視聴した限りでは、メロディアスなメタルというのが個人的な印象だった。色んなところで「Prog Metalファンなら、一度は彼等の音に触れてみるべきだ!」という具合に紹介されていたので、購入&聴いてみました。アルバムを聴いた最初の印象は、とてもメロディアスで勢いのあるアップテンポなメタル系だと感じました。特に中盤から後半にかけての楽曲は、Prog Metalファンが楽しめる内容になっていると感じました。

音楽的にはソリッドで、楽曲指向のメロディックProg Metal系となっています。楽曲によっては、テクニカルで緻密なパートも登場してきますが、難解で取っ付き難いという印象は殆どありません。ストレートに攻めながらソング・オリテンテッドなアプローチのスタイルを取っている。Ivanhoe, GB Arts, Dream Theater辺りを好んで聞いている人には楽しめるアルバムではなかろうかと推察&観察しています。冒頭の"Calling"に関しては、GB Artsのアルバムに収められてもおかしくないと言ったら、ちょっとオーバーかな?。ソングライティングのアプローチを大事にしていて、ギターのヘヴィーなパートと、キーボードの荘厳でキャッチーなサウンドがぶつかり合う内容となっています。これは、スリリングで楽しめましたワイ(^o^)丿

ただし、ボーカリストの声質がどちらかというと、Ozzy OsbourneGB ARTSのボーカリストに似た感じです。のっぺりとしたタイプなシンガーが苦手な人は、好悪を大きく分ける可能性アリ。なので、聞き手によっては、このボーカリストの声が、かなーり取っ付き難いという印象を与えるでしょう。前半は、楽曲志向とキャッチーな路線を推し進めていますが、アルバムの中盤辺りからは全体的に緻密で、テクニカルなパートも多く登場しています。フィンランドからは、次々と強力なバンドが登場してきていますので、Tunnel Visionにも頑張って欲しいと思います。

個人的には、Vili Ollilaのキーボードワークのセンスが良いと感じました。おそらく、このプレーヤーは、自分のシンセ機材のオシレーター部分やカットオフなどを操作して、独自の音作りをするのを得意としているのでしょう。キーボード・ソロからバッキングに到るまで、抜けの良い音作りや工夫が感じられます。ところどころで、シークエンシャルなフレーズも聴こえてきますし、部分的にプログラミング・打ち込み的なことにも関心が強い人なのではなかろうか?と推察しています。風貌がちょびっと細身になったVitalij Kuprij氏のようでもありますが、狙っている音楽的スタイルは大分隔たりがありますね。

全体的に見て、楽曲の構成もしっかりと練っていたので、作品全体を楽しく聴くことができました。Tunnel Visionは、若手の中でも演奏力もあって、頼もしいと感じました。特にバンドが一丸となって突進し、時にはテクニカルに切り込む場面が耳を惹きますね。緩急もわきまえており、スピーディーなところや起伏を作り上げるのも上手く感心しました。サウンド・プロダクション全体もです。このアルバムをリリース以降、彼等の近況が伝わってこないことが心配ですね。(購入盤Review)

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