JASUN TIPTON
country: U.S.A.
style/genre: Rock Instrumental, Prog Fusion, etc.
website: http://www.jasuntipton.com/
related bands/artists: Zero Hour, Death Machine, Scott McGill, Enchant, Dali's Dilemma, etc.
similar bands/artists: Jason Becker, Marty Friedman, etc.
artist info: Zero Hourのギターリスト。柔軟な姿勢で取り組んだインストを得意とする新世代のミュージシャン。



Jasun Tipton - Night's Pulse
Independent Release
(2000)

2000年にリリースされたZero Hourのギターリスト:Jasun Tiptonによるソロアルバム。おや?と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、こちらの作品は2005年にリリースされた正式なフルレングスの1stアルバム「Seduction」以前に、実験的な形で出したソロ作品の第一段です。Zero Hour本体とは正反対の静謐な部分や、より落ち着いたアンプラッグドからアコースティックな風味の強い作品であります。とはいえバックで流れているキーボードの音はエレクトリックで、一部はエレクトリックサウンドで奏でています。お兄さんであるTroy Tiptonもベーシストとして参加しています。また現在Enchantでもドラムを叩いているSean Flanneganも参加しています。自主制作とは言え、Dino Aldenが制作スタッフとしてZero Hour同様サポートしておりますのでプロダクションは、大変しっかりしています。部分的にはPat Methenyなどからインスパイアされた部分も感じられますが、Zero Hourとは違うソフトサイドも大変テイスティーであります。確かにJasunのソロアルバムですがTroyが参加していることもあって、双子の兄弟であるTipton Brothersのパーソナルな趣きが強い家族的な作品と個人的には位置付けています。曲は、Seductionとほぼ同じ内容が含まれています。曲数の多さや充実度でお得なのは、下で紹介しているSeductionになるでしょう。曲数は少ないですが、こちらはこちらで味わいがあって僕は両方とも好きです。Zero Hourのファンには、特にお薦めいたします。(購入盤Review)

PILGRIM WORLD推薦盤


Jasun Tipton - Seduction
Independent Release
(2005)

新進気鋭の超絶技巧派Prog Metalバンド、Zero Hourに在籍しているギターリスト、Jasun Tiptonによるフルレングス・ソロアルバム。過去にソロ作品としては、渋いロック・インストを主体にしたNight's Pulseをリリースしています。Seductionは彼にとって2枚目のソロワークスと言えるでしょう。緊迫感漲るテクニカルなZero Hour的Prog Metalサウンドではないし、Death Machine風な重厚サウンドとも異なるが、前回の作品同様、非常に素晴らしいインスト作品に仕上がっている。前作Night Pulseに通じる、どっしりとした構えのインストである。さらに熟成された味わいと深みを感じさせる力作となっている。テクスチャーやムードを大事にしており、非常にメロディアスである。楽曲によっては、コンテンポラリーな風情を見せているし、ハード&ヘヴィーな演奏で技巧的なインストセクションも楽しめる。アルバムでは、終始トリオ編成での演奏が中心に展開されている。Jasunは、アコースティックギターを主体にしているが、ここぞというときにはエレクトリックギターが活躍する場面も多い。多重録音と思われるが、キーボードのプレーやセンスもストレートであるが、素晴らしいものがあると思う。意外に思ったのはThe Way You Moveに代表されるNight Pulseに収められている楽曲も、数曲ほど含まれていますね。

さて、Jasunをサポートをしているミュージシャン達ですが、Jasunに決してひけを取らない面子が揃っております。同じくZero Hourのメンバーであり、兄弟のTroy Tiptonは、Jasunとは表裏一体の存在でありますね。彼によるベースプレーも非常に印象的で重要だと思う。長年培ってきただけあって、Tipton兄弟によるギターとベースのフォーメーションも、ぴったりと息が合っている。落ち着いたムードの楽曲が多いものの、とても素晴らしい出来栄えになていると思う。その一方で、Question & Answerなどに代表される、テクニカルなソロを強調する楽曲も、これまた素晴らしい。ドラマーには、EnchantSean Flaneganと、現Dali's DilemmaのメンバーJohn Perrineがリズムセクションとしてバックアップしている。ゲストミュージシャンとして、The Laser's Edgeに所属する技巧派ギターリストScott McGillも参加している。アルバムの最後に収録されているQuestion & Answer IIで非常に素晴らしいギターソロのトレードオフをJasunと繰り広げている。Vinnie MooreやTony MacAlpineなども手がけたDino Aldenによるプロダクションも大変充実しており、自主制作とはとても思えない凄い完成度だ。とにかく、このアルバムでは単なるインスト作品にとどまらぬ暖かさと安らぎに溢れているし、コンテンポラリーな味わいが施されている。Jasun Tiptonが持つ音楽性の広さを強く感じさせる、大変優れた作品である。(購入盤Review)

PILGRIM WORLD推薦盤

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