TEARS OF ANGER
country: Sweden
style/genre: Melodic Metal, Prog Metal
website: http://www.tearsofanger.com/
related bands/artists: Benny Jansson, Mind's Eye, Snakes In Paradise, The Johansson Brothers, Xsavior, etc.
similar bands/artists: Jorn Lande, Masterplan, Vanishing Point, Beyond Twilight, Ark, Scudiero, etc.
artist info: Benny JansonとBjorn Jansonの2人を中心に結成。Mind's Eyeのメンバー2名を含む強力なHR/HMアクト。



Tears of Anger - Still Alive
Lion Music
(2004)

スウェーデンという国は、本当に一体どういうシステムをとっているのか不思議に思うぐらい次から次へと良質なバンドを輩出していると思います。皆さんは、Benny Janssonの名前を憶えているでしょうか?。そうです、かの有名なJens Johansson/Anders JohanssonのプロジェクトThe Johansson Brothersでギターを担当していていたプレーヤーが、遂に兄弟のBjorn Johansson (vocal)とタッグを組みアルバムを完成。そして欧州方面を中心に、日本でも先ほどリリースされました。幻のプロジェクトと言われていたTears of Angerですが、Mind's Eyeでお馴染みのDaniel Flores (drums)とJohan Niemann (bass)の協力を経て遂に2004年堂々のデビューを飾りました。僕はLion Music盤をゲットしたのですが、どうやらAvalon/Marqueeからリリースされている日本盤には1曲ボーナストラックが収録されているようですね。

さて、Tears of AngerのデビューアルバムStill Aliveに関してですが、全編に渡って素晴らしいプロダクションと的確で流麗な演奏が堪能できます。基本的には、ボーカル、ギター、ベース、ドラムの4つの楽器を中心としてハードに展開されています。キーボーディストのクレジットはありませんが、BennyもしくはDaniel Floresによって手がけられたと考えられなくもないキーボードによるオーケストレーションやシンセが効果的に使われています。たくさん使われていて広がりのある音に仕上がっているので、誰がキーボードをてがけたのか個人的に気になるところです。Productionに関しての責任は、BennyとBjornに委ねられているのでおそらくBennyによるものと僕は考えていますが、Daniel Floresも自分のバンドでかなり卓越したキーボードを弾く人なのでDanielも弾いているのか?・・・気になるのでいつか調べてみようと思います。

近未来的なオーケストレーションで幕をあけ、のっけからDanielとJohanによるMind's Eye直伝のテクニカル且つコンプレックスな変拍子が飛び出します。Bjorn Johanssonの歌が入ってくると、インスト陣は楽曲を支えるスタイルにチェンジ。Bjorn Johanssonのボーカルスタイルは、どちらかというとJorn LandeやGary Burden, David Coverdaleなどを彷彿させるストロング且つパッショネイトな歌いっぷりを披露しております。オープニングのトラック「The Awakening」は、Mind's Eyeの2人によるドライヴィングする変拍子パートがかっこよいですし、ベテラン・ギターリストのBenny Janssonのプレーも滑らかです。そして2曲目は、ビデオクリップも作られた「Still Alive」は、王道のHR/HMナンバーであります。パワフルであり、コーラスパートのフレージング「Can't You Hear Me, Can't You See Me」の辺りはとてもキャッチーです。ビデオクリップは、なんとBenny Johanssonによっててがけられたオリジナル作品でよくできたビデオクリップでした(驚)。普通のビデオ・ディレクターが手がけたのではないかと思うぐらいで、MTVでかかっていても遜色はないのではなかろうか?という感じです。よし、話を少し脱線させてみよう(笑)。気になる内容は、Bjornが円形のフレームワークぽい中では激しく歌う一方、主人公(?)のグラサンちょびひげ半魚人(笑)もしくはミュータントが、混沌とした世界で生き延びようと頑張っているような感じで様々な場面に遭遇し、背後からは凶悪なドラゴンやトラップが襲ってくる・・みたいな内容です。しかし、残念だったのはいつまで観ていてもDaniel FloresもJohan Niemannも出てきませんでしたし、Bennyのギターソロはミュータントのアニメーションでした(うーん複雑ですな)。

そして3曲目のAfraid of The Dark、4曲目のSword of Sorrowと順当に進みます。5曲目のNightmareが中々テンションが高いナンバーでこれは素晴らしい。その後、躍動感溢れる6曲目のMoment of Truth, 7曲目のRevenge Will Come、8曲目のWatch Me Runとこの辺りのナンバーも良いです。アップテンポでハードな曲が続く中、中には少しゆったりとしたグルーヴィーなHR/HMナンバーもあるのでその辺りで好みが別れるかもしれませんが、特にスピーディーなパートやアップテンポで攻勢をかけていくところがこのバンドの強さであると思います。そして9曲目のWalk Away, 10曲目のKings Call, 11曲目のWho I Amと進んでいき、ラストナンバーDying Slowは個人的にツボに嵌るカッコイイナンバーでした。Tears of AngerのStill Aliveアルバム全体を聴いて感じたことは、均整の取れた演奏スタイルとダイナミックな音像を武器にしているグループという印象を強くもちました。楽曲それぞれは王道の北欧HR/HMなのですが、プログレメタルに通じるテンションの高いインストパートが登場したりと聴き所もたくさんありました。アルバム全体を眺めてみると、割とストレート・フォワードな方向性が強いので、もっとテクニカル且つプログレッシヴな色合いが強い展開がたくさんあれば、さらに良いのになーという気持ちも確かにあります。しかし、演奏面でも楽曲面でもキャッチーですし、曲の長さも適度なバランスをとっているので何回聴いても楽しめました。このバンドは、メロディアス系Hard Rock/Heavy Metalが好きな人や割とストレートな楽曲を得意としているプログレメタル系のバンドが好きな人、両方に好まれる要素はあると思います。次のアルバムも、楽しみに待っていようではありませんか。(プロモ盤Review)

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