TILES
country: United States
style/genre: Hard Prog, Prog Metal, New Tendencies, etc.
website: http://www.tiles-music.com/
related bands/artists: Kevin Chown (Artension/Edwin Dare), Discipline, Terry Brown, etc.
similar bands/artists: Rush, Dream Theater, Enchant, etc.
artist info: Rushに通じるスタイルであるが、奥行きと空間を駆使した極上の楽曲作りが上手い中堅グループ。



Tiles - Presents of Mind
Magna Carta/InsideOut
(1999)

アメリカはミシガン州デトロイトを拠点に活動しているProg Metalバンドによる通産3枚目のアルバム。過去にDream Theaterとのツアーも経験しており、アルバムをリリースする毎にProg Metal/Rockを好むリスナー層に着実に訴えかける作品をリリースし続けています。Tilesというと、Rush的なサウンドを指向しているイメージを強くもたれていると思います。今回レヴュー用に聴きなおしてみましたが、実は思った以上にDream Theater的なテイストもあって驚かされました。とは言え、彼らの場合はDream Theaterタイプというよりも、やはりRushタイプという方が彼らのサウンドを表現する上では説明しやすいというのが、なんとも不思議な感じがいたします。

このPresents of Mindを聴き返して思った事は、確かにRushDream Theaterから影響を受けている部分は勿論ありますが、それだけにとどまらないオリジナリティとユニーク性が随所で見られるということです。おそらく、この3作目が彼らにとってターニングポイントになったのだろうと考えております。アルバムにおける曲順や構成などを含めて非常に優れたものばかりで驚かされました。1曲目のStaticは、どっしりとしたリズムとグルーブを中心としたRush風なサウンドですが、歌メロも含めてグイグイと序盤から引き込まれていきます。2曲目のModificationも、骨太で芯のしっかりしたロックサウンドで、歌メロや使われている言葉なども含めてジューシーな旨みが滲んでくるかのようでたまりません。3曲目のCrossing Swordsは、序盤のハイライトの一つFacing Failuresに繋がるイントロダクションとなっています。おそらく他のリスナーも同じように感じたと思いますが、Tilesの懐の深さと演奏能力の組み立て方というか、構築力の高さに舌を巻いたのが4曲目のFacing Failuresです。今までは、どっしりとしたミディアムからアップテンポよりだったものが、Prog Metal的色合いが格段に高くなり、目まぐるしい展開とリズムセクションの素晴らしさに感激です。Rush + Fates Warning + Dream Theaterに通じると形容したくなるほどのスリリングさで、緊迫感溢れる演奏とあいまって朗々と言葉一つ一つに魂を込めて歌うPaul Rarickのボーカルパフォーマンスが秀逸。

4曲目でTilesの真の力を見出すことが出来たリスナーは、きっと次にどんな曲が登場するのか本当に楽しみでたまらなくなるでしょう(自分がそうです)。5曲目のThe Learning Curveも、これまたいい歌と演奏が聴けて楽しめます。2回目のハイライトが、6曲目のインストのBallad of Sacred Cowsでこの曲も非常に面白くてエキサイティングです。あたかも贖罪の儀式で屠られてしまう牛の悲哀も想起させられる・・・と思う自分は考えすぎかもしれません(^^;)。でもそういうことを考えたりするのは、ほんの最初だけで、展開度の激しいサウンドと演奏力にもう一回Tilesの凄みを味わい知ることができて気持ちがいいです。その後は、身を浸らせながらゆったりと残りの楽曲やボーナストラックを楽しむことができました。いやー、本当にこりゃあ素晴らしい作品ですわ!。

他の楽曲でもそうですが、場面によっては大胆にもバンジョーやマンドリンを違和感なく溶け込ましておりまして興味深いです。こういった楽器の音色が、とってもよいアクセントやカラーを引き出しています。アプローチは大分異なると思いますが、マンドリンの溶け込ませ方は、カナダのHeartUnplugged Liveでやっていたことに大いに通じると思いました。本編の10曲は無駄が無く完璧と言いたくなるほどの流れと起伏です。クレジットを見ていたら、なるほどTerry Brownも関わっていることを改めて発見。Terryはあくまでも縁の下のアドバイザーという位置付けのようになっていますね。Tilesが持っているよい味と実力が、この作品で見事引き出されており、充分堪能いたしました。ゲストとしてベーシストにKevin Chown、そしてDisciplineMatthew Parmenterがヴァイオリンで参加しております。RushEnchantなどが好きな人には、きっと楽しんでいただけると思います。意外と最初は骨太ハードロックかな?と思いきや、嵌まるとグイグイとその魅力の虜になることでしょう(^^) (購入盤Review)

PILGRIM WORLD推薦盤

Back to [T] Section
Back to Review Index

Go to Top Page