TIME MACHINE
country: Italy
style/genre: Prog Metal, Melodic Metal, Power Metal, Italian Metal, etc.
website: http://www.timemachine.cjb.net/
related bands/artists: Lorenzo Deho, Moon of Steel, Khali, Wuthering Heights, etc.
similar bands/artists: Khali, Black Jester, Fates Warning, Queensryche, Shadow Gallery, Angra, etc.
artist info: 1990年代の初頭以来、イタリアのProg Metal〜Power Metal系音楽の縮図とも言えるグループ。



Time Machine - Act II: Galileo
Lucretia Records
(1995)

1992年ごろに結成以来、メンバーチェンジを繰り返しながら活動を続けているイタリアの古参Prog Metalグループです。Time Machineの場合は、これまでにEP盤やマキシシングルなども数多く出しております。ディスコグラフィーを紐解いていくと、正式なアルバムから特別なミニアルバムなども含めると結構ややこしいバンドだったりします。彼らの公式サイトでは、このアルバムを1stアルバムという風に捉えているようです。このAct II: Galileoという作品は、アルバムカバーやタイトルを見てもお分かりのように、あのガリレオ・ガリレイの生涯に焦点を合わせたコンセプトアルバムとなっています。正直このアルバムに出会った始めの頃は、全くどこが良いのかサッパリ分かりませんでした。むしろ、次にリリースされたEternity Endsアルバムを先に購入して大変気に入ったので、こちらもそれと同じぐらい期待しておりましたが・・・音質などや楽曲も含めて、Act II: Galileoに関しては長いこと嵌ることはありませんでした。Time Machine自体は好きなグループなのですが、どうもこのアルバムに関して言えば好きになれませんでした。まず音質やプロダクションからして全体的に肌に合わない・・という思いが残ってしまいました。

ですが大分時間が経ってから、やっぱり再挑戦してみようということで引っ張り出して聴きなおして見ました。「うーん、やっぱり久しぶりに聴いてもピンとこないかな?」・・・という感じでタカを括りかけました。環境を変えて違うプレーヤーやスピーカーを通して聴いていくうちに、次第に「オオ!、浸透してきたぁ〜」って感じでジワリジワリと楽しめるようになってきました。やっぱりコンセプト作品という性質もあるのでしょうが、全体の流れを汲み取りながら集中して聴くと面白い演奏も登場してきます。ガリレオの唱えた学説が否定された歴史や話に照らし合わせながら聴いていくと、バンド自体は感情を込めた演出に挑戦しているように思います。それから楽曲のパーツを取り出していくと、イタリアのProg Metal系を好むリスナーにアピールするものは必ずあるでしょう。このアルバムを通して、Prog Metal的要素が強いイタリア系グループらしいドラマティックなMetalサウンドを見出したと言ってよいでしょう。作品のテーマとなっているギターリフやメロディアスなパッセージが、何度となく様々な箇所で顔を出しています。

確かに音質やプロダクションに関しては、リスナーによっては苦言を挟まざるを得ないかもしれません。一方で、この作品に関しては、これまでのEP盤や活動での経験を生かした創意工夫の跡が多く見られます。Prog Metalグループの多くは、基本的にテクニカル指向でめまぐるしい展開や畳み掛けるパフォーマンスを得意としています。Time Machineの場合はアプローチが異なっています。Prog Metal的なエッセンスは絡めつつも、後のイタリアのProg Metalグループにも受け継がれていく優美でエレガントな佇まいとリリシズムを自分たちの中で早くも確立しています。アルバムの流れは緩急を含めながら、順調に進んでいます。ハードでテンションの高まるところはProg Metal然としています。またPower Metal系に通じる小気味の良い疾走パートは、Angra辺りからの影響があるのかもしれません。そしてシンフォニックロックに通じるエピック性などと飽きさせないようなアプローチが随所に見られます。またアルバムの後半の様々なパッセージが交錯する場面やピアノなどの演奏が目立つバラード的な楽曲では、Shadow GalleryBlack Jester辺りを想起させることでしょう。全体的にはギターオリエンテッドな部分が強いですが、ところどころで登場するシンフォニック寄りなキーボード・サウンドやS.E.や語りの部分は楽しめるポイントだと思います。

客観的に判断すると、改善すべき部分はあります。流れは大事にしているものの、やっぱり冗長になっている場面も少なからずあります。また即効性の強いタイプの作品ではないので、その辺りを最初から望むと期待からは大きく外れる筈です。90年代の中期に、これだけの壮大なProg Metal作品を作ろうと頑張っていた意気込みを評価したいと思います。不思議なもので、辛抱強く聴いていくとProg Metal系の音楽ファンやリスナーならTime Machineから何かを汲み取っていただけると思います。このグループは、中心人物であるLorenzo Deho(bass/keyboards)の監修によるイタリアのメタルシーンの縮図と言えるでしょう。過去在籍していたメンバーはKhaliなどのように様々な形で新しいアプローチを取り入れながら、イタリア本国のシーンで活躍しております。また本体のTime Machineも作品を出すごとにクオリティの高いものをリリースしています。Act II: Galileoは、彼らの成長の過程を垣間見ることのできる資料としてProg Metalファンにも注目していただけると嬉しいですね。(購入盤Review)

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