Vanishing Point - Tangled In Dream
LMP
(2000)
豪州出身のMelodic ProgPower Metalバンドによる、通産2枚目のフルレングス。まず欧州で彼らの活動が認められ、1999年に1stアルバムが欧州方面を中心にリリース。各欧州のメディアやプレスによって、その名が広まりメタルリスナー達の心を掴むことに成功。このTangled In Dreamで、聴かれる楽曲はどれもメロディーやプロダクションを大事にした内容となっております。割と方向性としてはPoverty's No Crimeにも通じる良質なメロディーや品質を感じ取ることができました。演奏スタイルは、かなりストレートでありまして、懲りまくったアンサンブルを押し出すタイプとは大分異なります。キャッチーな歌メロを中心軸に、演奏陣はあくまでも楽曲を盛り上げる役目を終始続けているという感じです。Melodic Power系のメタルが好きなリスナーには、彼らが得意とするアップテンポな楽曲や疾走感覚タップリのタイプのものなどがアピール度大だと思います。あと、かすかに80年代後期のIron Maidenに通じるフレージングやメロディーの繰り出し方も良いと思いました。しかし、楽曲によっては、要所・要所で耳をひくコンプレックスなアンサンブルも織り込んでおり、この辺りは特に素晴らしいと僕は思いますね。彼らの場合は、この辺りのアレンジ力をもっと伸ばしてくれれば、さらにドエライものを作ってくれるのではなかろうか？と期待が高まります。印象的なギターとキーボードなどによるユニゾンパートなどが魅力的だと思いました。所謂テクニカル路線のProg Metalとは大分気配やアプローチは異なるものの、楽曲やプロダクション全体を大事にしたProgPower路線を、このVanishing Pointはゴールとしている様子がひしひしと伝わってきました。もしPoverty's No Crimeの最近の作品のように、さらに演奏面にもメリハリが出てくれば、さらに高い位置に進むことができるでありましょう。大変高いポテンシャルを持っているバンドだと思うので守りに入らずに、どんどんと色んなアプローチを試みて成長をして欲しいバンドだと思います。(購入盤Review)