VICIOUS RUMORS
country: United States
style/genre: Power Metal, U.S. Metal, Heavy Metal, etc.
website: http://www.viciousrumors.com/
related bands/artists: Vinnie Moore, Carl Albert (Ruffians), Dave Starr, etc.
similar bands/artists: Savatage, Metal Church, Judas Priest, Obsession, Antithesis, etc.
artist info: 多くのメタルリスナーから尊敬を集めているアメリカを代表するHeavy Metalバンド。



Vicious Rumors - Plug In And Hang On (Live In Tokyo)
WEA International/Atlantic Records
(1992)

アメリカを代表する最古参Heavy Metalバンドの一つVicioius Rumorsが、1992年にクラブチッタ川崎で行った公演を収録したライブ盤です。80年代後期から90年代の中ごろまでは、パワーメタル系と整合感のあるスラッシュメタル系が自分の中で非常に盛り上がっている時代でした。その中でもVicious Rumorsは自分の中では、当時活動していたメタル系バンドの中でも最も期待している欧米グループの一つでした。それから自分の好みもどちらかというと(今考えると人間の好みは少しずつ変わってくるんだなーと思いますが)、あの頃はProg Metal系よりもアメリカ産の硬派なPower Metal系に重きを置いて聴いていた頃でした。そんな頃に出会ったグループとして、Vicious Rumorsは自分の中でもSavatageAnnihilatorMetal Churchなどと並んで重要なパワーメタル系の代名詞の一つであったわけです。しかしそういう風に捉えるだけでなく、メタル魂を燃え上がらせる本格的な存在でありました。それと並行してQueensrycheFates Warningなどの存在も、当然自分の中では重要だった訳でございます。その頃は、外国のメディアでは普通に使用されていたであろうプログレッシヴ・メタル(Progressive Metal)という言葉は知らなかったので、パワーメタル系の親戚として自分の中では無理やりPrestoを出した当時のRushも強引に仲間に含めて「知的メタル」と呼んでいました(笑)。

この辺りの話を話すと分かっちゃいるんですが、既にレールを外れて暴走列車の如く脱線しまくってます(滝汗:その1)。話をVRに戻します。このアルバムを出した90年代初頭の頃がVicious Rumorsはライブアクトとして最も充実していたころではないか?と今振り返ってみるとそう思います。この当時、来日したVicious Rumorsを見れたファン達は歓喜したと思います。セルフタイトルのアルバムに続き、Welcome To The Ballといった形で連続で質の高いカッコイイサウンドにぶっ飛んでしまいました。自分としては、ゾッコン惚れ込んでいたメタルグループだっただけに、このライブ盤も当然ゲットしました。近所の英国サウンドが好きなメタル友達にも強引に薦めて一緒に聴いて楽しんだことが懐かしかったりしますね。うーん、ここまで書いていて気付きましたが、もうなんか懐かしい昔を振り返ってみたいなコーナーになっていて自分でも収拾がつかなくなっています(滝汗:その2)。・・・ちょっと前置きをしておかないと、自分の中にあるVicious Rumorsの魅力と思いが伝わらないかなーと思いまして。

やっとこさ本題に入りたいと思いますが、やはり年月を経てなるべく冷静に客観的にこのライブアルバムを聴いて見ました。月並みな表現になると思いますが、これはVicious Rumorsの初期のアルバムから1991年頃に発売されたWelcome To The Ballのいずれかの作品に触れていないと楽しみにくいライブ盤だろうなーと思います。ライブの音源は当然良好な部類ですし、バンドによるパフォーマンスも非常に熱を帯びてカッコイイものになっています。しかし、やはり正統派メタルは生で観るべきものだし、エナジーを体感するというのが本来のあり方だと思うんです。全てを切り裂きながら突き進む重戦車のごとき破壊力とパワーを持っているメタルサウンドは確かに収録されていますが、やはりどうしてもオリジナルアルバムと比べると少し色褪せて感じられるのは止むを得ないことかもしれません。要するにバンドによって作られた正規のアルバムを聴くのと同じアプローチで聴いてしまうと、最近の肥えた耳のメタル系リスナーが聞いても凄みが伝わりきらないのではないかと余計な心配をしてしまいます。これは持論になりますが、ライブビデオやDVDなら映像とあわせて臨場感はそれなりに伝わると思うのですが、ライブ盤の場合はどうしても音だけの勝負になるので、魅力はある程度半減してしまう運命にあるのかもしれません。

・・・だが、しかし・・と続きますがVicious Rumorsを熱心に応援しているファンやリスナーには、ぜひ耳にしてもらいたい「何か」は、きっと感じられると思います。時代を経てパワーメタルという概念も色んな解釈が受け入れられるようになりましたが、Vicious Rumorsに代表されるような硬派で重戦車のような突進力を持つアメリカン・パワーメタル本来の真髄は、この作品にも確かに見え隠れしていると思います。特にセルフ・タイトルアルバムからの名曲「Don't Wait For Me」の魅力に取り付かれた人は、ぜひライブバージョンではないオリジナルも聞いてもらいたいです。疾走感と躍動感が漲る楽曲だけでなくミディアムでスローめなテンポの「When Love Comes Down」なども含めて、彼らの代表曲などのイイ楽曲も収録されています。ある意味Vicious Rumorsの入り口的な作品として纏まっているかもしれませんが、できるならオリジナルアルバムから彼らの魅力に嵌って欲しいバンドだと思います。(購入盤Review)

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