VON GARCIA
country: United States
style/genre: Progressive Rock, Ambient Noise Rock, Soundscape, New Tendencies, etc.
website: http://www.sluggosgoonmusic.com/
related bands/artists: James von Buelow, Damon Trotta, Glenn Snelwar (At War With Self), Vehicle, Riotgod, etc.
similar bands/artists: At War With Self, King Crimson, Gordian Knot, etc.
artist info: 2006年にJames van BuelowとDamon Trottaの2人を中心に結成。実験的なロック・サウンドを特徴としている。



Von Garcia - I Think A Think
Sluggo's Goon Music
(2008)

New Yorkを拠点に独自の音楽性を持つグループを輩出しているSluggo's Goon Music。このSGM自体は、アメリカの東海岸を中心に活動をしている実験的なロックを演奏しているバンドやミュージシャン達を中心に応援・育成しているレーベルと言えるでしょう。さて今回紹介するVon Garciaは、まだ日本では耳慣れない音楽集団ではないでしょうか。母体は、James van Buelow (guitar/keyboard/vocal) とDamon Trotta (bass/doblo/percussion/programming)の2人を中心に結成されます。Sluggo's Goon Musicに所属している他のミュージシャンや外部のゲストとのコラボレーションによって、何者にも囚われない自由な音楽形態のヘヴィ・ロックを作り上げています。

過去にGlenn Snelwarが率いるAt War With Selfの2ndアルバムを紹介したことがありますが、サウンド的には彼らに近い方向性の実験的なプログレッシヴ・ロック音楽を展開しています。サウンドが近いのも当然で、ゲストミュージシャンとしてGlenn Snelwarの名前がクレジットされています。またAt War With Selfの2ndも同時期に作られていただけでなく、実はVon Garciaの中心人物の一人であるDamon Trottaは、At War With Selfの作品にも深く関わっています。当然と言えば当然ですが、同時期に作っていたお互いの作品で刺激しあった結果、楽曲によっては似たような雰囲気のものも出来たんだろうなーと推測できます。また静謐さと混沌さが入り混じりつつも、ハードに切り込んでいく演奏やサウンドが登場する場面では、最近のKing CrimsonGordian Knotを彷彿とさせるところもあります。

とは言え、Von Garciaならではと言う場面も確かにあります。それは、自分達が掲げているアンビエント性と前衛的なノイズ風なロックサウンドが、随所に登場していることが大きな特徴であります。しかし前衛的とかノイズ風と言っても、難解にはなりすぎてはないように思いました。上で紹介したようなグループを聴き親しんでいる人にとっては、取っ付き難い部分は認めつつも、この寒々としたアトモスフェリックな音空間は心地良く感じるのではないでしょうか。どうやら中心となっているJamesとDamonの両名は、音楽業界での活動も長く、演奏だけでなくエンジニアリング面でもかなりのキャリアを持っていることが伺えます。実際に手で弾いた物なのか、打ち込んだ音なのかは定かではありませんが(あるいは両方か?)、冷ややかで心地よいキーボード・サウンドが登場する場面もあります。シンセ的な音が出現したか、と思うと消えて行くような場面が、大変耳に心地良いなーという瞬間が結構ありましたね。

順番が逆になってしまったかもしれませんが、この作品を聴いて驚いたのはサウンド・プロダクションが非常にしっかりしています。ドラムの音を中心に据えている場面もあるのでしょうか、とにかく太鼓やシンバルの音の抜けが良くシャッキリしています。ドラマーのSteve Decker自身も良い腕を持っております。この作品では、テクニカルに攻めまくる場面は殆ど無いのですが、どこかSean Reinertを想起させるかのようです。多分、この作品を初めて聴く人は、最初はダークな雰囲気が充満するシンセサイザーやキーボードサウンドに耳が行くと思います。しかし、次に登場するドラムの音に耳が奪われて、次第に周りで鳴っている楽器やボーカルや声が真に迫ってくるのではないでしょうか。このアルバムで登場するミュージシャンは、非常にしっかりとした腕前を持っていることは音の随所から感じられます。まとまりのあるドッシリとした演奏が前面に出てくると、凄く上手い音楽集団だなーというのが如実に伝わってきます。それは派手であるとか、攻勢をかけてくるというのとは意味合いはちょっと異なるのですが、ダイナミックな演奏が時折顔を出してくると嬉しくなってきますね。

正直、決して取っ付きやすいタイプのロック音楽ではないでしょう。印象的なギターソロ等は、ところどころで楽しめると思います。しかし、派手に切り込むようなリード・プレーというのは、それほど多くありません。我々が想像するようなインスト勢が、矢継ぎ早やに畳みかけるということも余りありません。一方で、非常にインパクトのある演奏が登場することは確かなので、その部分では楽しめる場面も用意されているかのようです。様々な音が迫ってくる時もあれば、浮遊しながら周りを包み込んで行く場面もあり、なんとも言葉で表現するのが難しい時があります。アンビエント性やサウンドスケープ的な要素を持ち、実験的でインプロヴィゼーションの要素も含まれたロック・サウンドが好きなリスナーなら楽しめるでしょう。(プロモ盤Review)

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