JOOP WOLTERS
country: Netherland
style/genre: Guitar Instrumental, Technical Rock, Hard Fusion, Prog Metal, etc.
website: http://www.joopwolters.net/
related bands/artists: Arabesque, Lalu, Imaginery, Hubi Meisel, Elysion, Lemur Voice, Mind's Eye, etc.
similar bands/artists: Marcel Coenen, Ritchie Kotzen, Joe Satriani, Patrick Rondat, Arabesque, etc.
artist info: プログレッシヴメタルバンドArabesqueを主催する技巧派プレーヤー。カラフルな楽曲作りが、魅力的なアーティスト。



Joop Wolters - Workshop
Lion Music
(2003)

Arabesqueのギターリストとして活躍をしているJoop Woltersの1stソロアルバム。Arabesque本体は、初期はプログレッシヴがかったハードフュージョンを展開していたが、21世紀に入るとツイン女性リードボーカリストを擁する個性的なテクニカルProgressive Metal的路線に変貌を遂げております。さて、このソロアルバムでは割とハードフュージョンとテクニカルなシュラプネル的要素が色濃く見られるが、隠し味にプログレメタルのフレーバーも内包していて面白い。ストレートな技巧ギターロックを始めとしつつ、ファンクの要素があるHard Rockインストや、テクニカルなProg Metalタイプのもの、ハードフュージョン的な演奏力を求められる楽曲を含めて、中々幅広い音楽性を強く感じさせる。ギターが中心の作品であるが、Vinnie MoorePatrick Rondatのソロのようにキーボードが活躍するCross My Heartのような場面も用意されている。もちろん要所では、Joopの派手なギターテクニックが炸裂している。ギターリスト中心の作品だけれども、各楽器の配置もよく考えられており、楽しく聞き込めるポイントがたくさんある。惜しむらくは、ドラムや一部のキーボードなどが打ち込み系のサウンドなのでそこが物足りないと感じられる方もおられるでしょう。しかし、その辺りを気にしなければ、とても楽しめる作品でありますよ。ギターインストや、その系統のロック作品が好きなリスナーに、聴いていただきたいと思います。2004年度のHeadway Festivalの時に、このアルバムをゲットしました。第1日目のギタークリニックの時間に彼が演奏していましたが、非常に滑らかで流麗なギターテクニックを披露していて感銘を受けました。既に第2段のニューアルバムSpeed, Traffic, and Guitar Accidentsもリリースされておりまして、2004年に大変好評を博しております。近年は、あらゆるバンドやアーティストとも共演をしておりますし、今後の音楽活動がとても楽しみなアーティストです。(購入盤Review)

PILGRIM WORLD推薦盤


Joop Wolters - Speed, Traffic, and Guitar Accidents
Lion Music
(2004)

ElysionArabesqueなどのProg Metalグループでの活動を経て、現在はソロ・アーティストとして活躍をしているJoop Woltersによる通産2枚目となるソロアルバム。前作でも大変素晴らしいソロ・ワークスや音楽的にも優れた内容を提供していましたが、この作品も非常に素晴らしい。類稀なる音楽的才能が大きく開花した内容になっており、彼が得意としているハード・フュージョン系サウンドを中心に、めくるめくようなインストサウンドが展開されている。

今回の作品が前作と大きく違う点は、ここ数年Joop自身が築き上げたネットワークにより、ゲスト参加している数多くのメンバーによる貢献度が大変素晴らしいという点につきますね。Elysion時代の盟友にして、Lemur Voiceでも活躍していたリズムセクションのBarend TrompNathan van der Wouwによる豪快なインストワーク。その他、地元オランダ出身のドラマーのPatrick Eijdemsのプレーも非常に光っており、数多くの曲で卓越した技術を披露しています。また様々なプロジェクトでも共演を果しているMind's EyeDaniel Floresも、Patrick同様にこれまた秀逸な演奏を展開して、これまた素晴らしい。キーボーディストとしては、LaluShadraneで活躍しているVivien Lalu君もゲスト参加して、彼ならではのプレーで彩りを添えています。もう一人ゲストで注目をしたいのは、KeyboardistのAlex Argentoであります。流石はJordan Rudessコンテストで最優秀者に残っただけはある指さばきとキーボードワークで、今後注目したい人物でありましょう。

もちろん、主役であるJoop Woltersのギタープレーは冴え渡っており、リードプレーからリズムワーク、そして曲の流れや知性溢れるコード・プログレッションに至るまで輝きを放っていると自分は心の底から思いますね。楽曲構成は、とても親しみやすく分かりやすい作りになっていますが、よく聞くと楽曲によっては非常に緻密なアレンジと展開を持ったもので、僕自身は大変楽しんでおります。テクニカルなハードフュージョンの楽曲が目立ちますが、シンプルでストーレートな勢い重視のものや、ファンク調のもの、ハードにドライビングする起伏のある曲や、ギターとキーボードそしてリズムセクションが見事に絡み合うスタイル、そして彼自身がこれまでに培ってきたProg Metalフレーバーが濃いものに至るまで、最初から最後まで目が離せない痛快な作品になっています。

全部で17曲収録されていますが、終始あきさせない構成とスリリングでドラマティックな曲調になっており、大変クレーバー且つ完成度が極めて高く、面白いアルバムであると思います。Joop Woltersを筆頭に、卓越した演奏技術を持ったミュージシャン達の競演を満喫することができるでしょう。インストファンを自認する皆さんにオススメしたいですし、Hard Fusion的サウンドとProg Metal調の楽曲が好きなリスナーにもオススメしますよ。7for4Marcel CoenenPlanet XSteve VaiLiquid Tension ExperimentCyril AchardAnand Mahangoe辺りを好むリスナーには、ジャストミートするサウンドだと思います(^^)。(購入盤Review)

PILGRIM WORLD推薦盤


Joop Wolters - Out of Order
Lion Music
(2007)

オランダの技巧派ギターリスト: Joop Woltersによる最新作「Out of Order」が遂に登場です。前作の「Speed, Traffic, and Guitar Accidents」において素晴らしいパフォーマンスと楽曲内容がインストシーンで静かにですが確実に大きなインパクトを生んだと僕は確信しています。前作のレヴューは上で紹介しているので、興味がある皆さんはぜひチェックしていただきたい秀逸なProg Metal風ハードフュージョン作品として後世に伝えたい極上の仕上がりとなっております。ハードフュージョン系リスナーだけでなく、Prog Metalファンそして音楽の同業者に至るまで衝撃と感動を与えてくれたJoop Woltersが見据えている次は何だろう?と期待をして、最新作に向かい合ってみました。前作の衝撃的且つ極上の痛快なハードフュージョンと同じものを求めてしまうあまり、「あれ?、確かにクオリティは高いのだけど、何かこれまでのJoopと違うような・・」という多少の違和感が最初ありました。

何度か聞いて分かってきたというか、凄さが染み渡ってきたので振り返ってみると、前作のようなProg Metal的フレーバーの強いハードフュージョンとは少し距離を置いたアプローチなのかもしれないと解釈しました。前作に通じるProg Metal的なアプローチも数曲用意してくれているのは、勿論前作の大ファンである自分としては嬉しいです。むしろ彼としては珍しい生々しくヘヴィなテイストが強く存在しており、そういった楽曲へのアプローチは聴いてみると後で良さを体感できる筈です。リアルでライブなフィーリングを大事にしたストレートな情熱をさらけ出しているというのが正直な感想です。

キーボーディストに盟友のAlex Argentoが活躍しているところではハードフュージョンの良い部分がカラフルに登場しています。さらに今回新しくゲスト参加しているMike Roeloefsなる人物は、Jazz Rock/Fusion的な色合いが濃いキーボードワークを展開しておりこれまた興味深いです。アップテンポでテクニカルな部分は、Headway Festivalや地元でのライブでも証明済みの実力を表しているのは、これまでのキャリアの積み重ねとしては流石という他なしですね。彼と一緒にプレーをしているメンバーも強豪ばかりです。今回の作品は前回と違ってゲストの数はやや押さえ気味で、僚友のドラマーとして地元での活動には欠かせないPatrck Eijdemsの実力は今回も素晴らしい。

バンドのテンションの高さや技巧性をいかんなく発揮したパートは、前作とは異なる部分が目立ちますがトータルバランスでは引けをとっていないと思います。前回が非常にカラフルで都会的でありましたが、今回の作品は序盤はダークで硬質な側面が強まっている印象を見せつつ、アコースティックな部分や段々と色彩感が豊かになっていく・・というかアルバム・カバーにもあるような、情念の青い炎が次第に色濃くなるようなテンションの高まりを味わえると思います。今までの作品の中では、ちょっと異質かもしれませんが、慣れれば彼らしいバラエティに富んだ素晴らしいインスト作品と言えるでしょう。

最初の掴みが若干、違和感ありましたが今では堪能しながら聴く作品として納得できるようになりました。今回はゲストとしてPlanet X/On The VirgVirgil Donatiが参加しており、彼のドラミングが冴え渡っている「Tied Knots」はハイライトの一つと言えるかもしれません。インストとは言え、各楽曲からストーリーを感じてもらえれば本望だ!というのがJoop Woltersの願いだそうです。今後も彼の行動に目が離せませんね。実は、もう既に次のアルバムの制作にも入っている頑張り屋さんです。前作そして今作を聞いて素晴らしいと感じた方は、ぜひJoop Woltersを応援してください。日本でのライブやツアーをしたいというのが彼の大きな目標の一つだそうです。インスト系に強いブッキングエージェントさん、ぜひ彼に声をかけてみてはいかがでしょうか?。演奏やステージングは折り紙つきで僕は素晴らしいと思いますよ。おっと、後半脱線しちゃいましたが、Joop Woltersのファンには納得の一枚として仕上がっていますのでお試しあれ!。彼のサイトやMySpaceで音源やビデオ映像など、たくさん紹介されています。今注目の技巧派ギターリストの一人です。(プロモ盤Review)
http://www.myspace.com/joopwolters

PILGRIM WORLD推薦盤

Back to [W] Section
Back to Review Index

Go to Top Page