WOLVERINE
country: Sweden
style/genre: Prog Metal
website: http://www.wolverine-overdose.com/index.html
related bands/artists: Oliver Phillips (Everon), etc.
similar bands/artists: Pain of Salvation, Fates Warning, Dream Theater, Opeth, Nemesis (Age of Nemesis), Anathema, Marillion, etc.
artist info: 北欧出身の若手Prog Metalバンドだが、既に独自の音世界を確立している有望株。



Wolverine - Fervent Dream
Zizania Records
(1999)

海外のProg Metalフリークの間で、今後の展開と成長に期待がされているスウェーデン出身のWolverineであります。彼等にとって初となるEP盤・ミニアルバムにおいて、自分達のアイデンティティーを構築しつつあります。メランコリックな部分からプログレッシブ・ロック系の影響まで感じられます。またFates WarningDream Theaterのような先輩からの要素を取り入れている。OpethInto EternityといったProg Metalバンドのように、なんと大胆にもGrowl/Death声などをアクセントとしていれているところが驚きです。Opethと違ってデス声の使用度は、あまり高くありませんがアクセントとして使われている程度です。面白いことにInto Eternityと同様にクリーンボイスの方が、大きくフューチャーされています。確かにDream Theater系Prog Metalの要素も強いが、それだけにとどまらない、新しいことをしようとしている姿勢が伺える。またCDのジャケットアートやブックレット、それから歌詞を追って聴いてみると、彼らならではのメッセージ性やテーマが決まっています(賛否は分かれそうですが、同性愛についてのものを扱うなど非常に難しいテーマにも挑戦しているようです)。デビュー作(厳密に言うとEP盤ですが)ということで、まだこれからという部分もありますがが、演奏力は充分しっかりしているので期待できます。今度出る新しいアルバムでは、どのように成長しているのか楽しみです。(プロモ盤Review)


Wolverine - The Window Purpose
DVS Records
(2001)

前作から数えて2年余りで、急激に進化と成長を遂げたWolverineによる1stフルレングス・アルバム。1999年に行われた第1回目のProgPower Europeのフェスティバルにも登場。ベテランや中堅どころの実力派の中にあっても埋もれることの無い、大変高い評価を得たことがよく分かる仕上がりになっています。僕の記憶の中では、前作とこの作品の間で大きなメンバーチェンジや変化は無かったと聞いていますが、さらにグループとしての結束が固まっただけでなく音楽的内容もグレードアップしています。レヴュー用にこの作品を聴きなおしてみましたが、リリースされて数年が経過した後でも魅力に満ち溢れた正統的Prog Metalアルバムと言えるでしょう。しかし、彼等の場合はこのアルバムで既にフォロワーという域を軽くクリアして、独自の路線を歩みつつあります。ハードでテンションの高い良質なProg Metal的展開が素晴らしいだけでなく、とにかく歌のメロディーが全編に渡って見事という他無いです。テクニカルでコンプレックスな部分は、確かにDream Theater等に通じる部分は確かにありますが、凄く似ていると僕は思いませんでした。むしろ世界観やディープなアトモスフィアといったものは、Fates WarningPain of Salvationと既に肩を並べたといいたくなるほどです。現在、既に「The Window Purpose」のリマスター盤も出て改善されていると思いますが、オリジナル盤のサウンドプロダクションに関しては、気持ち的に「あと、もう少しだけ」頑張れば・・と感じたりもしましたが、内容が大変バランスとれていて極上なので個人的には殆ど気にならないぐらいです。また後年に通じるコンテポンラリー性の高い現代的な要素を含む楽曲も、既に顔を出しつつあります。新人でこれだけの力量を示すというのは、並大抵のことではありません。楽曲のグレードとスケールの高さは、当時の若手バンドの中では類を見ないほど突出していて感激しました。コンプレックスな部分は随所に登場して、Prog Metalファンが楽しめるばかりでなく、歌メロを中心に心にジーンと残る構成のものがズラリと並んでいまして楽しませて頂きました。これ以降は次第に彼等も変貌を遂げていきますが、Prog Metal然とした作品としては内容は濃いと思います。いやーWolverineの活躍はここから始まったといってもいいのではないでしょうか。レヴューではオリジナル盤を紹介しましたが、現在はリマスター盤が市場に出回っていると思いますので、入手はある程度しやすい部類だと思います。感動した作品ですので、内省系路線のProg Metal音楽が好きな人に、充分楽しんでいただけると思います。(購入盤Review)

PILGRIM WORLD推薦盤


Wolverine - Cold Light of Monday
Elitist/Earache Records
(2003/2004)

ミニアルバムを含めれば、Wolverineにとって通産3枚目になる傑作。ここ数年間、欧州Prog Metal・シーンも円熟期を迎えているが、その中でも有望株の一つとして注目されていたバンドでありました。この作品Cold Light of Mondayでは、欧州のプログレファンにもアピールする会心の一撃となったようであります。これまでは、主にプログレメタルのファンを中心に人気の高かったバンドだが、このアルバムではむしろProg Rockファンにアピールする内容となっているかもしれない。まるでMarillionの「Brave」やAnathemaの「Judgement」に通じるかのような翳りと儚さを強く感じさせるコンセプト作品になっている。サウンドもミニアルバムの「Fervent Dream」や2枚目の「The Window Purpose」のような重厚なプログレメタルとはかなり違う雰囲気が漂う。ポストロック的な要素を大きく導入し、新しいプログレメタルの方向性を示唆している。だがこの作品は、Prog Metalファンの間では物議を醸しており前作までを好む人たちの中でも、評価はかなり分かれているようだ。しかしながら、これまでの作品同様、私はこのアルバムをとても楽しんでおります。「Cold Light of Monday」で新境地を開いたような気配すらあります。

このアルバムを通して物語の主人公であるSarahが辿った人生を熟考する内容となっている。ブックレットや歌詞を見る限り、彼女が辿ってきた道は決して平坦なものではなく、心や身体にかなり深い傷を負った様子が伺えるスト−リーが続く。内容的には、陰鬱で儚くひたすら悲しい。様々な感情や情景の変化が、バンドによって演奏されるハードであるが、メランコリックなサウンドによって次々と紹介されるといった感じだ。ダークなところを歩んでいたSarahだが、このアルバムのクライマックスでは確かな喜びや平安を見出したのではないだろうか・・・というのが僕がこの音楽を聴いて感じ取った解釈である。Cold Light of Mondayのジャケットに写っているSarahのモデルとなった彼女の顔を見つめると、何かを振り切った清々しさすら感じさせる。

コンセプトストーリーという形態をとっているので、楽曲の間の間隔は殆どなく非常にいい流れと起伏を生み出している。個人的には、どの楽曲も魅力的で甲乙つけがたい。強いてあげるならば、ハードなProg Metal路線の色合いを内包した"Carousel"などは特にグイグイと引き込む説得性を持っている。他にも静謐な曲や、ポストロック的なサウンドを含めて非常に新鮮なサウンドに仕上がっており、とても充実しております。一つ一つの楽曲のストーリーを丁寧に、時にはSarahの魂が乗り移ったかのように激しく感情を込めて歌い上げるStefan Zellの力量にも注目したい。このアルバムは、楽曲指向の作品となっているのでテクニカルな路線の演奏や目まぐるしいものはあまり登場してこない。だが、インスト陣も、楽曲を盛り上げる役割を見事に果しており、ここぞという時には素晴らしいメロディアスなギターソロが炸裂する場面も登場。またあらゆるキーボードサウンドが登場しますし、リズム隊の働きがとにかく素晴らしい。顕著なのは、繊細なドラミングとシンバルなどの使いこなしで充分に楽しめました。ちなみにプロダクションには、あのEveronOliver Philipsが関わっている。言うまでもなくサウンド・プロダクションの出来上がりも、とても素晴らしい。(購入盤Review)

PILGRIM WORLD推薦盤

Discography:


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