WATERCLIME
country: Sweden
style/genre: Prog Rock.
website: http://www.myspace.com/waterclime
related bands/artists: Vintersorg, Borknagar, Fission, etc.
similar bands/artists: White Willow, Uriah Heep, Wobbler, etc.
artist info: VintersorgのドラマーMr.Vによるプログレ系プロジェクトもの。



Waterclime - Imaginative
Lion Music
(2007)

北欧出身のミュージシャンMr.Vが中心となっているWaterclimeによる2ndアルバムです。前作のアルバムが北欧らしい湿り気のあるアトモスフェリックなプログレ作品だったので楽しみにしていました。ところが雰囲気は前作とはガラリと変わってしまったかのようであります。1曲目からRushYesの明朗で分かりやすい部分を抽出したかのような楽曲となっています。本来こういう型の楽曲は好きな部類のはずなんですが、どうもWaterclimeの場合に関しては違和感を覚えてしまいました。なにか淡白になってしまったような感じがして、「アレ?」と少し拍子抜けしてしまいました。前作のようなアトモスフェリックで、森林の中を彷徨っているかのような冷ややかな感触はどこに行ってしまったのか?。最初の印象というのは怖いもので、曲を進めて聴いていくと確かに前作に通じるところもあるのです。このCDをゲットして暫くの間は、どうしても違和感みたいなものを払拭できずにおりました。

レヴュー用に何回か聴き分けてみたり、環境を変えて聴きなおして見ると、段々と良さが分かってきました。前作と同様、全ての楽器と歌パートをMr.Vが担当しております。もちろん楽曲も彼が担当しております。全体的に見て行くとレトロな欧州産のプログレやアートロックからの影響下にある音楽です。驚くことに一人で全てを手がけているという事を説明してもらわなければ分からないようなバンド指向の音楽になっています。楽曲一つ一つは、前作と比べるとある意味引き締まっております。リズム面に関しては、こちらの作品の方がテンションもあり、コンプレックス度も高いかと思います。往年のシンフォ系やプログレ系のバンドで使われるような色んな種類の楽器の音が楽しめる作りになっております。キーボード、メロトロン、オルガンなどをはじめフルートなども使用されています。ただし、プログレに精通しているリスナーには若干物足りないと感じる場面もあるかもしれません。その辺りを理解しつつ作品自体を味わっていただきたい。

演奏面に関しては、よく聴くと楽しめるようなスリリングな場面もあって面白い部分を結構見出すことができました。一方で、前作は質感といい雰囲気が北欧のWhite Willow辺りに通じる深みと湿ったアトモスフィアを含んでいただけに、その要素が希薄になってしまったのが個人的には非常に残念です。しかし、Mr.Vが参加しているバンドVintersorgと並行しながらもプロジェクトで楽曲やバンド的なサウンドを大事にしているということを評価したいと思います。OpethDan Swanoなどに代表されるように、北欧のExtreme Metal系のグループのミュージシャンが本気を出してSymphonic RockやProgressive Rock系の作品を出していることが意外であったりします。(プロモ盤Review)

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