ピルグリムてつのオランダ旅行見聞録
2004/04/02〜2004/04/06
(アムステルダム道中膝栗毛? + Headway Festival雑感レポ)
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Part 4: Headway Festival 1st Day(続き)


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Headway Festival第1日目のレポート続きです。

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1. Mister Kite(ミスター・カイト): Mister Kite
2. 夕食・休憩: Dinner Break
3. Death Machine(デス・マシーン): Death Machine
4. インターミッション: Intermission
5. Labreinto(ラベリント): Laberinto
6. WatchTower(ウォッチタワー): WatchTower


1. Mister Kite
http://www.misterkite.net/
お待っとさんでしたー(愛川キンキン風)。それではPart3からの続きです。

はるばるスウェーデンのMalmo市から車で8時間かけて、このHeadway FestivalにやってきたMister Kiteがついにステージに姿を表しました。比較するサウンドを探すのがちょっと難しいかもしれない。近年のSUPERIORや北欧のメロディックハード勢に通じるものがあるが、まったく似ているか?というとせいではない。若い感性を持ったメンバーとベテランメンバーによってキャッチーにまとめた楽曲とフックのあるボーカルメロディが魅力的なバンドだと思います。ちなみにベーシストとドラマーは、Silver Mountainで活動をしていたことがあるそうです(ベーシストのAntonさんの話では、Jens JohanssonやJonas Hanson辺りの話も後でうかがうことができました)。メロディアスでコンパクトな楽曲を提供し強い印象を残したと思う。いつの間にか日本でもHighway RecordsからAll In Timeが配給されているので北欧ハードロックファンは注目してもらいたいところであります(Highway Recordsは、徳間ジャパンの傘下にあるらしい)。選曲は主に新作が欧州で大変話題になっている「Box of Fear」と前作「All In Time」からのもので占められている。バランスのとれたよい演奏力とキャッチーで印象深いメロディーセンスがぎらりと光る。このフェスティバルの中では、一番ハードロック色が濃いバンドだったとは思う。だけど、さすがHeadway Festivalに参加するバンドはどれも只者ではない。確かにパッと聴いていると確かにメロディアスな北欧ハードロックなのだが、アレンジや曲調などを細かく見ていくとプログレハード寄りなところも見受けられる。バンド結成の初期はプログレハード〜プログレメタル的な度合いが強かったが、今回の作品ではあまりそういった色合いは影を潜めている。特に個人的には、一番のハイライトだったAll In Timeで一緒にコーラスを歌えたのが嬉しかった。他にもBox Of Fearに収録されている隠れた名ナンバーHow LongやI Know You Knowも、覚え易いメロディーラインが楽しめました。今回のステージングを観て思ったのは、ボーカリストAlfを中心にメンバーそれぞれが楽曲をサポートするためのフォーメーションに徹していたと思う。あとライブというシチュエーションで、どう観衆に楽しんでもらえるかというのをサラリとこなしていたと思う。どの楽曲も最良のフックをがっちりと持っていて、日本でもチャンスを掴んで人気が出て欲しいと期待を込めて楽しく観させていただきました。スウェーデンでは、中々ライブをすることが難しいという話も伺いました。Mister Kiteは本国では、ステージングをこなす機会が少ないと語っていたけれど、なかなかどうして。大変堂に入った力強いこなれたライブ・パフォーマンスをしていたと思う。これからも彼らには、よい作品を作りつづけて欲しいと願いたい。ライブ後は、彼らのバックステージに招待していただきました。メンバーや関係者達と喜びを分かち合いました。
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2. 夕食・休憩
Mister Kiteの演奏が終わった後は、約1時間ほど夕食や休憩タイムとなりました。多分、殆どの人は夕食を取りに近くにあるレストランに行って食事をとったり、バーでドリンクを注文している人達もおりました。そういえば、タバコを吸っている人達が意外と少ないほうだったかも。休憩やインターミッションの時、会場内で流れている音楽は殆どがProgPower系のものばかりである。Queensryche, Dream Theater, Fates Warningなどの重鎮を始め、結構マニアックなバンドの音楽も流れていて面白い。大音量でPain of Salvation, Dead Soul Tribe, Nightwishの音楽が流れていて楽しいといったらありゃしない。個人的にはAnnihilatorやPsychotic Waltzの楽曲が流れてくるとは予想外。Psychotic Waltzの曲でMorbidというエモーショナルな楽曲があるのですが、これが結構大きい音で流れていて嬉しかったなー。会場でうろちょろしていると、色んな人が声をかけてきてくれました。会場にいる人達も様々なT-shirtやロングスリーブを着ていて面白い。Spiral Architect, Pagan's Mind, Headline, Death Machine, Zero Hour, Sun Caged, Rush, Van Halenなどなどもういろんなのを着ている人達がいる。現地の友達と何人かお話をしたり、ビールを頼んで飲んでいると、Mister KiteのAnton Johansson氏が僕をバックステージに招待してくれました。メンバーにライブの感想を述べ、一緒に写真を撮ったりと楽しい時間を過ごしました。あと場所を移して、フランスからやってきていたProgPower専門ウェブサイトの人がMister Kiteにインタヴューをしている様子を後ろから観ておりました。と、目を別の場所にうつすと・・グゥオ!!、あのWATCHTOWERの面々が遂に会場入り。うーむヘッドライナーとしての風格を漂わしておりカッコよかったですな。その後、また2階のホールに戻るとArabesqueのギターリストJoop Wolter氏が熱演を繰り広げておりました。この人も非常にテクニカルなギター技を持っており、かなり近距離でパフォーマンスを繰り広げておりました。主に彼が最近リリースしたWorkshopからの演奏でした。また会場をウロチョロしながら、マーチャンダイズ売り場でDeath Machine/Zero HourのTroy Tipton氏に声をかけました。会ったそうそう、Troyはとてもフレンドリーに接してくれました。「君には、いつかぜひZero Hourのライブを観て欲しいな。日本から来てくれてとても嬉しいよ!。そうそう実は、今回Zero Hourの新作から2曲ほど演奏するよ!」などなどという感じで会話がとてもはずみました。いやーここ数年間いろいろコンタクトをとってきましたが、やっとZero Hourのメンバーに会えて僕も感激です。Zero Hourに出会っていなかったら僕は、プログレメタルを追及したサイトをやっていなかったかもしれません。搬入作業やセットアップ〜次のバンドの出現まで、うろちょろしておりました。
3. Death Machine
http://www.deathmachine.net/
さあ、いよいよフェスティバルも後半戦に入ってまいりました。4番手に登場したDeath Machineですが、これは堪能いたしました。とにかく凄まじい演奏能力を誇るバンドで変拍子や高速疾走する難解なリフやメロディーラインが面白い。Zero HourのメンバーJasun Tipton(guitar), Troy Tipton(bass)そしてMike Gray(drum)を含むだけあって、のっけから超絶技巧技が次々と繰り出されて度肝を抜かれた。Zero Hourのサイドプロジェクトといっても過言ではないが、Troy Tipton氏曰く「Death Machineは僕達にとってはお楽しみプロジェクトなんだよ」というコメントでした。Zero Hourと変わらぬエキサイティングなProg Metal演奏を楽しむことができました。Death Machineは、観てる方も演奏している方も楽しむという独自のユニークな見地でやっておりました。CDと同じようにコンセプトとおりの衣装でした。Troyは、赤いRed Devil風コスチューム。Jasunは、白塗りコープスペイントなコスチューム。Mikeは、目の下にサンスクリーンを塗っておりましたな。特にTipton兄弟は、面白いコスプレ風な衣装でステージングも観ていて面白いものがありました。コスチュームだけでなく、動きも結構派手で特にTroyは周囲の状況に構わずベースを振り回すかのようなアクションをしておりました。Jasunもかなり起伏のある動きを見せておりました。このバンドが一方で、デスメタルと言われる所以は、リードボーカリストのTHROATのアグレッシブなデス声である。ただTHROATは、若干デス声を出すのが辛い場面も見られたが凄みを出していた。音楽的には、MesshugahやSoilworkが好きな人達にもアピールするのではないかと思いました。

お楽しみプロジェクトとは言っておりましたが、いやー全力投球な姿勢に感銘を受けました。特にJasunとTroyのコンビネーションは素晴らしいものがありました。バンドによる数々のブレイクポイントを炸裂しつつ、変拍子からポリリズム的なパートを含めて難解なテクニカル技をビシバシと繰り出しておりました。巨漢のボーカリストThroatは、全編ずっと咆哮系グロール・シャウトで、切れ味のあるデスボーカルを得意とする持ち主でありました。激しい演奏が繰り広げられる中、キーボーディストのEliasもバンドに大変貢献しており、テクスチャーを大事にしたプレーをしておりました。アンビエントな色合いからアトモスフェリックなサウンドスケープを描く事に専念しておりました。時にはサウンド・モジュールを操り、音にウネリを出したり空間を意識した役割を果しておりました。またピアノの音をいかしたアルペジエーションや情感の篭ったEliasの演奏が、感銘を受けました。激しくもテクニカルな演奏の中に、静謐な部分や鮮やかな色彩が含まれた感じでした。またところどころで、Zero Hourトリオによる新曲が2曲ほど披露され、ひとつのバンドで2度美味しいという内容でした^^。ちなみに新曲のタイトルは、まだ決定されていないみたいですがThe Tower of Avarice Part 2といっても過言ではない様子でした。僕にとっては、Headway Festivalの参加ラインナップのハイライトの一つになりました。
Death Machineの画像ページ
4. インターミッション
Death Machineのライブが終了後に、一緒に観ていたお仲間4人とDeath Machineのライブが素晴らしかったことを称えあいました。次のバンドが出るまでの間、ここで音楽談義に発展しました。僕の友達Mr.Friendlyさんと、そのガールフレンドさんは、Vanden PlasやHeadlineそしてAngraやShamanを見た話などに発展。オランダやヨーロッパ方面では、かなりプログレメタルバンドのライブを観る事ができるという話などを聴く事ができました。改めてオランダという国はプログレやメタルを盛んに応援しているファンがかなりいるということを実感しました。「日本のバンドでは、LoudnessやVow Wowはどうなんだい?」という話も出ました。「他に日本のバンドで面白いのはないか?」という話も出たので「Concerto MoonやArk Stormとか聴いた事ありますか?
」とかそんな話を出したら、現地の人曰く「Ark Storm」は聴いた事があるそうでした。お互いに好みのProg Metalバンドの話になりましたが、やはり必ずDREAM THEATERの話に発展。言葉は違っても、やはり皆さん好みが近いですな。あと他の人達と話をしていて気づいたことがありました。この会場にきていたカップルや夫婦は、割と皆さん好みの傾向が割と近いらしい。普通彼氏はDream Theater好むけど、彼女はもっとシンプルなものが好き・・とか、またその逆バージョンとか。そんなの、日本の場合割と多くありませんか?(こう思うのは、俺だけでしょうか?)。だからマニアックな話はご勘弁をというムードになると思うのですが、男性・女性関係なくガンガンと深い話に発展したりするのが面白かったです。Mr.Friendlyさんのカップルは、Dream Theater, Toto, Angra, Shaman辺りは特に好んでいました。
5. Laberinto

Laberintoは、中南米辺りをルーツにもつミュージシャンの集合体で、ラテンやパーカッシブな要素が自然に出たラウドでヘヴィなロックを得意としていた。結構現地では、アムステルダム辺りを中心にかなり精力的にライブ活動を行っているとのことだ。ただ彼らはこのフェスティバルに参加していた所謂プログレメタル〜エクスペリメンタルなメタルバンドとは対極的な位置にあり、ソリッドでテンポのあるハードなあるいはラウドロックをやっていたという感じです。ひょっとしたらSEPULTURAやSOULFLYなどといったバンドが好きな人にはいけるのではないでしょうか。僕は、このときかなり疲れのピークに達しており、最初の2、3曲見た後2階のホールに下りて一緒に観ていた人達と、くつろいでおりました(Laberintoさん、ごめんなさい。別に悪気はないです、この時、凄い疲れがどっと出てしまったのです)。勢いがあり、演奏にも突進力があって良かった印象は残っていますがこれ以上書けないです^^。・・・・・・・・・・・・・・・2階に下りてくつろいでいたら、またMister Kiteの皆さんと会いました。Anton Johanssonから色々とスウェーデンの状況や他のバンドのことについて聞くことができました。1stにゲストで参加していたMattias IA Eklundのことを賞賛しておりました。そしてこの20数年間で最もスウェーデンから輩出したバンドで度肝を抜くバンドは、Pain of Salvationであるとベテランの意見を聞くことができました。また通路でたむろしていたら、Zero HourのJasun Tiptonに会って話をすることができました。Jasun Tiptonは、2枚目のソロアルバムにとりかかっていて期待していて待っていて欲しいとメッセージを残してくれました。どうやらJasunもヘッドライナーのWatchtowerが出るのを楽しみにしていたようです。どうやらかなり時間が経ったようで、Watchtowerが出る頃なのでみんなメインホールの3階に向かうことにいたしました。
5. WatchTower
http://www.marathoncd.com/watchtower/

ご存知、究極の超絶技巧テクニカル・メタルバンド、Watchtowerがこの日のトリを務めました。このバンドのライブは、ぜひ観てみたいと思っていたのでどういうステージになるのか楽しみでなりませんでした。アメリカを代表するヘッドライナーWATCHTOWERが登場するころには、会場内は人で溢れるほどになるかのような勢いと熱気で、このフェスティバルに参加している人たちの中では間違いなく一番人気が高いバンドでありました。とにかく3階のホールに戻ってきたら、いつのまにか凄い人の数で、ぎっしりでした。明らかにWatchtowerだけにしか興味を持っていない人達もいたようである。様々な音楽が流れては消えていき・・としているうちにアメリカのアニメやトムとジェリーで使われるような軽快なメロディーが一際大きく会場に流れる。それと同時に会場も暗転し、観衆のボルテージも上がっていく様子が伺える。遂に伝説のバンドWatchtowerがステージに出現!!。もちろん初期のEnergetic DisassemblyとControl And Resistenceからの選曲でありました。彼らの音を聞いた瞬間からアドレナリンが激しく放出されるほど。数々の名曲が次から次へと演奏されており、個人的にはControl And Resistenceの曲が登場する度に圧倒されました。いやーもう言葉を失うぐらい、とにかく凄まじいです。ウルトラ・テクニカルな演奏が繰り出されておりました。シンガーはAlan Tecchioではなく、バンドのリードボーカルに復帰したJason McMaster。経験豊富なステージ運びを披露していた。Alan Tecchio時代の歌もこなしており、Control And Resitence時代の曲もなんら違和感がありませんでした。とにかくどの楽曲も恐ろしく、超絶技巧の沸騰点に達したかのような凄まじさで、とてつもなくエキサイティングでありました。普通この手の音楽というのは余りにも難しすぎて直立不動で動きのないものになりがちであるが、彼らの場合は全く違う。とにかく動きまくる。むしろボーカリストのJasonの動きが、インスト陣のRon JarzombekとDoug Keyser達の忙しい動きに比べると大人しいぐらいに見える。特にDougは走り回っているに近いほどの活躍ぶりでありました。常にバシバシとスラッピングし、親指フル稼働状態(スゴー!)。Ronも動く動く。あれだけ難解極まりないフレージングやソロを動きながら、ピッタリとガッチリ決めまくるので驚嘆。ドラマーのRick Colauitaもビデオで見る限り小さめのキットで叩きまくる印象がありましたが、フェスティバルと会場が用意したいつもより大きめのキットであろうドラムを縦横無尽に完膚なきまでに叩き続けるテクニック。途中でシンバルか、タムか何かを破壊したようで、スタッフが緊急に調整をしたりしておりました。あと、どの楽曲か忘れましたが本人達にとってもタイミングを慎重に合わせないといけないらしく、Rickがヘッドフォンをつくてクリックに合わせて叩くような段取りでした。しかしながら、どうやらセッティング上手くいかなかったようで。ヘッドフォン外して、おかまいなしで叩いておりましたが、まったく演奏は破綻することなく爆走しておりました(^^;)。トラブルの回避方法というか時間稼ぎが自然体で流石ベテラン。トラブルも自分達のエンターテイメントに取り込んでいるかのようで、見るもの聴くもの全てが新鮮に映りました。おそらく今まで観たバンドの中でも、文句のつけようがないド迫力のライブステージを展開しておりました。こんなことをWatchtowerの場合、言う必要はあえてないのだと思いますけども、一人一人の音楽的才能が非常に高度でありました。本当かジョークか知りませんが、このライブをするまで殆どリハーサルも練習もあまりせずにライブに臨んだということだ(それってマジですか???)。しかし、それでもパーフェクトな形で自分達の音楽をステージ上でこなす・・・テクニカルメタル〜プログレメタル界屈指の恐るべきチャンピョンですな。全編に渡って凄いを通り越して笑っちゃうほどの超・怪物ぶりでした。いやーとにかく全編驚愕しながらも楽しみました。彼らの場合は意外とストイック一本槍でなく、ステージングが面白く途中でMichael JacksonのBilly Jeanの危ない替え歌で観衆を大爆笑させるなど・・ユーモアとウィットにとんだところも見せていました。個人的には、Mayday In KievやLife Cyles, The EldritchなどWatchtowerのファンが聴きたいものばかりが演奏され、心底感動いたしました。熱烈なアンコールのあとに、RUSHの超名曲2112を20数分間に渡って演奏をこなしました。楽しむポイントが盛りだくさんでございました。(ちなみに次の日にでくわしたRon Jarzombek氏は、3日の演奏についての感想は「うーん、まあまあ」と謙遜しておられた(^^;)。Dougさんが一番、アプローチしやすかったです。) 底なしの凄さを堪能し会場を後にしました。続いて2日目のレポートPart 5へGo

WatchTower画像ページ


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